Date: 5月 23rd, 2017
Cate: オーディオ入門
Tags:

オーディオ入門・考(その17)

オーディオに関する、さまざまな知識、
技術的な知識、オーディオの歴史についての知識、ブランドに関する知識など、
そういった知識をどれだけ多く身につけていたとしても、オーディオの入門書が書けるわけではない。

知識を体系化できていなければ、オーディオの入門書は書けない。
知識の量は少なくとも、体系化できている人と、
知識の量は多くとも、体系化できていない人とでは、
知性があるかないか、ということにつきる。

知識を体系化していくのに必要なのは、想像力である。
想像力がない人は、どれだけ知識を多く、それも正確に身につけようと体系化はできない。
解説書は書けよう、でも入門書は無理である。

書き手にだけいえることではなく、
つくり手側にいる者すべてにいえることで、編集者もそうである。
編集者に想像力が欠如していては、どんなに知識があっても(それもあやしいかったりするが)、
体系化は無理な話であり、入門書をつくることも無理である。

名ばかりの入門書だけが増えていく。
知性の感じられない入門書ばかりが世に出てくるようになった。

知性の感じられない入門書で、広い・深いオーディオの世界を覗きこむことができようか。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]