瀬川冬樹氏からの宿題
私にとってのステレオサウンドは、というと、
まず41号から61号まで21冊とその間に出た別冊が、まずある。
リアルタイムで読んできた、純粋に読み手として読んできたステレオサウンドだけに、
私にとってのステレオサウンドとは、ここである。
その次に創刊号から40号までと、別冊である。
それから62号から89号。これは編集者として携わってきたステレオサウンドだ。
90号からのステレオサウンドもわけようと思えばいくつかにわけられるけれど、
ひとつにしておく。
私にとって中核といえる41号から61号のステレオサウンドについて、
「ステレオサウンドについて」で触れてきた。
この項を書くために、手元にバックナンバーをおいてページをめくってきた。
当時のことを思い出していた。
思い出しながら書いていた。
その過程で、瀬川先生からの宿題がいくつもあることを感じていた。
人によっては「ステレオサウンドについて」はつまらなかったかもしれない。
また古いことばかり書いている、と思った人も少なからずいたはずだ。
読み手のことを考えずに書いていたわけではないが、
「ステレオサウンドについて」は私にとって、
瀬川先生からの宿題をはっきりと認識するための作業であった。