Date: 11月 13th, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その100)

瀬川先生が担当されていたのは、一本だけだった。
927Dst vs Referenceである。

「The Match いま気になるライバル製品誌上対決!」は、
タイトルはともかくとして、企画そのものは間違っていない。
事実、瀬川先生の担当分はおもしろかった。

他のものにしても、機種の選定は、いま見ても間違っていない。
にも関わらず、読んでいても、わくわくしてこない。

手抜きされているわけではない。
伝わってくるものが、瀬川先生のにくらべると明らかに少なく感じる。
こちらの読み方が悪いのか、と当時は思って、何度か読み返した。
それでも同じだった。

このライバル対決は、その後のステレオサウンドでも、何度か行われている。
けれど、それほどおもしろいとは感じなかった。

結局、この企画は書き手にとってかなり難しいものだといえる。
瀬川先生のがおもしろいのは、瀬川先生の文章が優れているからではなく、
瀬川先生自身、927Dst、Reference、そのどちらも惚れ込まれたモノだからである。

この点が、他の方の、他のライバル機種とで、決定的に違っている。
瀬川先生以外は、みな冷静に比較されている。
それでいいといえるのかもしれない。

だがこの企画の最初にあるのは、
瀬川先生の927Dst vs Referenceである。
まず最初に、これを読んでいる、ということを忘れてはならない。

いま、同じライバル対決を行うのであれば、
どうやればいいのかは自ずとはっきりしてくる。

そう難しいことではない。
ステレオサウンド編集部が気づいているかどうかは、私は知らない。

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