ステレオサウンドについて(その73)
私が読者として読んできたステレオサウンドについて、
41号から順をおって書いている。
ステレオサウンドは素晴らしいオーディオ雑誌だ、と持ち上げる意図はない。
読んできて感じたことを思い出しながら書いている。
すでに書いているように51号のようなつくりには疑問を感じた。
そういう疑問は、読み続けていくとともに少しずつあらわれてきた。
53号の「プロフェッショナルたちがあなたの装置のトラブルや、不満をチェックすると、こうなります」、
この記事も、まさしくそうだ。
広告と雑誌との関係についてほとんど何も知らない10代の私が読んでも、
この記事が載っているのはおかしく感じたものだった。
つまり、いまに続く悪しき芽は、すでにこのころからあったわけであり、
決して大きくはないが、はっきりとあらわれている。
50号の巻頭の座談会で、瀬川先生が語られていたことを、
53号の、この記事を担当した編集者はどう受けとめていたのか、と思う。
受けとめてすらいなかったのだ。
私はそう思う。
瀬川先生は、この記事をどう読まれたのだろうか。