Date: 10月 17th, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その71)

ステレオサウンド 53号で、ひとつ気になったことがあった。
瀬川先生の「ひろがり溶け合う響きを求めて」の中に、それはある。
     *
 リスニングルームの空調でもうひとつ重要なのは換気の問題だ。昔から煙草は嫌いだったが、どういうものかこの煙草嫌いは、やや病的ではないかと自分でも思うほど、近年ますます極端になってきた。道を歩いていて、数メートル先を歩いてゆく人の吸う煙草の煙のように、ふつうならちょっと気づきにくい匂いも、なぜか鋭敏に嗅ぎとってしまう。外をあるいていてさえそうなのだから、まして室内ではよほど換気がよくないといけない。人の集まる場所から帰ってくると、衣服にも髪の中にも煙草の匂いがしみついているのがわかって、それが嫌でたまらない。
     *
私は喘息持ちだから、煙草はこれまで一度(一本)も吸ったことがない。
瀬川先生の煙草嫌いはわかる。

瀬川先生も《やや病的ではないか》と書かれているが、
《数メートル先を歩いてゆく人の吸う煙草の煙のように、ふつうならちょっと気づきにくい匂いも、なぜか鋭敏に嗅ぎとってしまう》ことがある。

私の場合でいえば、体調が悪い時ほど鋭敏に嗅ぎとれる。
なので瀬川先生も、体調があまりすぐれないのではないだろうか……、
そう思いながら「ひろがり溶け合う響きを求めて」を読んでいた。

後でわかる──、53号の原稿を書かれている時点で体調を崩されていた。

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