オーディオと青の関係(その11)
「限りなく透明に近いブルー」。
村上龍氏のデビュー作であり、1976年の芥川賞受賞作である。
ステレオサウンド1978年別冊「世界のオーディオ」のパイオニア号に、
村上龍氏のが登場されている。
パイオニアのオーディオ機器を使っているユーザー訪問記事で、
タイトルは「私とおーでぃお」。
村上龍氏のほかには、粟津潔、小室等、立木義浩の三氏も登場されている。
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村上 芥川賞の記者会見のときに、新聞記者の一人から、あなたは音楽がお好きのようだけど、ご自分ではこの『ブルー』でどういう音楽をイメージされますか、と質問されたんです。
多分だれもがロックという答えを期待されたんでしょうが、ぼくはキザにも、シューマンのピアノ曲と答えたんですね。あまりにもキザにきこえたんでしょう、新聞にはかかれなかった(笑い)。でも、ぼくはほんとうにそう思っているんですよ。
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シューマンのどのピアノ曲かというと、
クララ・ヴィークの主題による変奏曲、クライスレリアーナ、謝肉祭を挙げられている。
好きな曲は「抒情的で、おしゃべりじゃあない音楽」だとして、
バッハも好きで、ブランデンブルグ協奏曲、ゴールドベルグ変奏曲、パルティータも挙げられている。