私にとってアナログディスク再生とは(忘れられつつあること・その1)
瀬川先生のレコードのかけ方は見事だった、と、
それを間近で見てきた人は、そう言う。
私も熊本のオーディオ店で見て知っている。
レコードをに針を降ろして、ボリュウムをさっとあげるまでの動きのスムーズさ。
流れがある、とはこのことだと思う。
その瀬川先生でも、流れが留ってしまうだろう、という光景を目にした。
インターナショナルオーディオショウでのテクニクスのブースでだった。
またテクニクスのブースでのことになってしまうが、
ここで指摘する問題はテクニクスだけではない。
テクニクス以外にも、同じ問題を抱えているオーディオ機器(コントロールアンプ)はある。
いままで見落していたところであり、
たまたまテクニクスのブースで気づかされた。
テクニクスのコントロールアンプSU-R1のボリュウムは、
従来のポテンショメーターではなく、いわゆる電子式である。
音がよければ、ポテンショメーターであろうと電子式であろうと、
どちらでもいいわけだが、ここには操作性の問題が関係してくる。
テクニクスのスタッフがレコードをかけかえるたびに、
針の上げ下しの歳に、SU-R1のボリュウムのツマミをせわしくなく回されていた。
かなりまわさなければ、十分な音量まであげられないし、
音を絞ることができないのだ。
SU-R1はフォノイコライザーを搭載していない。
アナログディスク再生をしないという人ならば、
このボリュウム操作の問題は、さほど気にならないかもしれない。
だがアナログディスクではそうはいかない。