Date: 10月 2nd, 2016
Cate: アナログディスク再生
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私にとってアナログディスク再生とは(忘れられつつあること・その2)

レコードの無音溝に針を降ろす。
音が鳴り始まるまでは、ほんのわずかしかない。
そのわずかのあいだにボリュウム操作を的確に行う。

上げすぎでもなく低すぎでもなく、ぴったりの音量になるようにすばやくボリュウムをまわす。
ボリュウムのツマミにふれている時間は、わずかだ。
そのわずかな時間でも、従来のポテンショメーターのボリュウムであれば、
すっと上げられもできたし下げることもできた。

だが電子式ボリュウムの中には、そうはいかないものがある。
テクニクスのSU-R1だけではない。
ジェームズ・ボンジョルノ設計のAmbrosiaもそうだと聴いている。

クルクルクルクルと何回もツマミをまわさないと、十分な音量まであげられない、そうだ。
ボンジョルノは、このボリュウムのプログラミングまで自分で行った、そうだ。
でも、その部分だけは外注すべきだったのではないたろうか。

レコードをかけるときのボリュウムの上げ下げは、
針が溝に落ちる際の音をまったくきにしない人であれば、
レコードかけかえごとに、ボリュウム操作はしないだろうから、
SU-R1やAmbrosiaのようなボリュウムでも、特に問題とは感じないであろう。

こう書いていくと、針の上げ下しのときには、
入力セレクターをPhonoポジションではなく、その他のポジションにすれば解決する、
そういう人がきっといる。

でも、違う。
レコードをかけるということは、
レコードをジャケットから取り出してターンテーブルにのせ、
針の上げ下しからボリュウム操作までを含む。

少なくとも私はそう考えている。
そんな面倒な……、と思うような人は、アナログディスク再生には向いていない、といえる。

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