素材考(柔のモノ・その5)
テンピュールから低反発スポンジの枕が登場したのは、
もうどのくらい前なのだろうか。
その後、各社から低反発スポンジ(ウレタンフォーム)の枕が、いくつも登場した。
低反発ウレタンフォームに初めて触れたとき、
いままでになかった感触だと思った。
ソルボセインよりも気持ちいい、と感じた。
今年5月、ある展示会に枕を見かけた。
緑のジェル状の素材を使ったもので、触ってみた。
なかなか面白い感触だった。
この枕から少し離れたところに、Technogel(テクノジェル)の枕が展示してあった。
こちらは青。
ジェルの形状も違うが、感触は大きくは違わないだろうと思いながら、
ジェルの上に直接手を乗せてみた。
どちらも展示用のモデルで、直接手でジェルに触れられるようになっている。
Technogelに触れて、驚いた。
手のひらが気持ちいい、といっているような感じだったからだ。
私がこれまで触ってきた人工的な素材の中で、初めて気持いいと感じたものだった。
他にもっと気持いいと感じる人工的な素材はあるのかもしれないが、
私が触ってきた範囲では、Technogelが抜群に気持ちいい。
Technogelのマットレスも展示してあった。
デモ用だから横になることもできたが、やらなかった。
Technogelのマットレスの感触を体験してしまうと、
買ってしまいそうになるからだった。
今月、またTechnogelに触れる機会があった。
やはり気持いいと手のひらが感じている。
気持よさを味わいながら、今回はこれはオーディオに使える素材かもしれない。
そう思うようになっていた。
自然素材を積極的に使うのは、
感触が手に馴染んでいる、ということもある。
自然の、いい素材は触って気持ちいい。
ならばTechnogelの気持いいも、音の上でいい方向に働いてくれそうな予感がある。