オーディオの楽しみ方(つくる・その7)
雑誌は、時として読み捨てられる。
月刊誌だと年12冊。
一年分であれば保管場所はそれほどでもない。
でも雑誌好きの人は、いくつもの雑誌を講読するし、
何年、十何年、さらには何十年と講読し続けることもある。
そうなると保管場所の確保は、バックナンバーを捨てることにつながっていく。
どの雑誌を捨てるか、どの時期のものを捨てるのか。
こんなことやりたくないけれど、やらざるをえない事情だってある。
私も夢中になって読んできた雑誌の大半は処分せざるをえなかった。
そうすることで、そこに載っていた記事も忘れ去られていく運命にある、ともいえる。
本棚におさまっていても、二度と開かれることがなければ、
記事は忘れ去られていく。
けれどインターネットの記事は、その点で違う。
かなり残っていく。
Googleという優秀な検索エンジンがあるおかげで、
キーワードによっては、忘れ去られても不思議でない記事、
忘れ去られた方が好都合の記事まで浮上させてくる。
このことを怖いと思わない編集者、書き手がいるからこそ、
〝なぜ私は、絶縁トランスを「手作り」しようと思ったのか〟が残ったままなのだし、
この記事を恥ずかしいと思わないのだろう。
初歩のラジオについて、改めて書こうと思ったのも、
〝なぜ私は、絶縁トランスを「手作り」しようと思ったのか〟を見つけたからでもある。
このインターネットの記事と、初歩のラジオという雑誌の対比がきっかけとなっている。