オーディオの楽しみ方(つくる・その8)
もうこの項は、思いつくまま書くことにした。
なのであちこちに話が逸れたり飛んだりすると思う。
1979年秋に、ステレオサウンド別冊「sound space 音のある住空間をめぐる25の提案」が出た。
この本の巻末には、日本全国の有名家具店が紹介されているページがある。
そこにIKEA(イケア)が載っている。
このころはIKEAがあった。
IKEAは1974年に日本に進出し、1986年に撤退している。
これは単なる偶然なのだろうが、
IKEAの第一次進出とオーディオのキットの時代は、重なっているようにも感じる。
IKEAの家具は完成品ではない。
購入者が自分で組み立てるのが原則である。
つまり家具のキットである。
部材だけでなく、組み立てに必要なネジや接着剤も入っているわけだから、
まさしくキットといえる。
IKEAは日本へ再進出している。
2006年に船橋に再進出一号店ができている。
続いて横浜市港北にもでき、その後もいくつもの店舗がオープンしている。
閉鎖した店舗もあるが、いまのところ順調のようだ。
撤退したころといまとでは何が変化してきているのだろうか。
IKEAの家具はいまもキットである。
いまのところIKEAがふたたび撤退することはなさそうである。
定着している、といえそうである。
IKEAの再進出とともに、オーディオにキットの動きはあるのだろうか。
個人サイトで自作アンプのプリント基板を頒布しているところはいくつかあって、
人気のアンプやD/Aコンバーターの基板はすぐに売りきれる、と聞いている。
プリント基板だけでなく、主要部品もつけている、いわば半キットもあるし、
人気があるようだ。
購入者すべてがすぐに組み立てるわけではないと思う。
いつか時間がとれたときに組み立てようと思って購入した人も少なくないだろう。
それでもいいと思う。
組み立てよう、組み立てたい、と思う気持があるということだから。
IKEAの再進出と同じように、オーディオのキットも定着していっているのだろうか。