ステレオサウンドについて(その1)
私が最初に手にしたステレオサウンドは、何度か書いているように、
41号とと同時期に発売になっていた別冊「コンポーネントステレオの世界 ’77」の二冊である。
1976年の12月だった。
その数ヵ月前に、私は「五味オーディオ教室」と出逢っていた。
中学二年の冬休みを、オーディオの本をじっくり読みながら過ごしたいと思っていた。
当時は地方の個人経営の書店にもオーディオの雑誌は並んでいた。
ステレオサウンドはそのころ1600円だった。
別冊も1600円だった。二冊あわせて3200円。
働いている人にとってはたいしたことのない金額であっても、
中学生が小遣いで買うには、けっこう大きな金額だった。
書店にはステレオサウンド以外のオーディオ雑誌も並んでいた。
音楽之友社の「ステレオのすべて」もあった。
ステレオサウンドがB5版、「ステレオのすべては」はA4版だった。
価格も同じか少し高かったかもしれない。
「ステレオのすべて」も買いたかった。
ステレオサウンド 41号と「コンポーネントステレオの世界 ’77」は、
書店で見つけてすぐに買ったわけではなかった。
三冊すべて買えるほどの余裕はなかった。
どれかをあきらめなければならなかった。
どれにするかを決めるのに、三日ほど書店に通っては悩んでいた。
そして選んだのがステレオサウンドであり、
「ステレオのすべて」はあきらめた。
こうやってステレオサウンドを読むようになっていった。