Date: 9月 25th, 2015
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background…(ポール・モーリアとDitton 66・その3)

ステレオサウンド 48号の新製品紹介のページに、
ひときわユニークなスピーカーシステムが登場している。
セレッションのDEDHAM(デッドハム)だ。

48号当時のステレオサウンドでは、
個々の新製品の紹介とともに、井上先生、山中先生による「新製品の話題」という対談があった。
そこには「最新スピーカーシステムの話題を追って」というタイトルがついている。

DEDHAMは新製品ではあっても、最新スピーカーシステムとは呼びにくい性格の代物である。
(ここではあえて代物という言葉を使う)

DEDHAMはDitton 66をベースにしたスピーカーシステムなのだが、
外観はまったく異る、別物といえるシステムである。

DEDHAMの外装は、イギリスのコンスターブル社の熟練工によって、
イギリスのクラシック家具調に仕上げられている。
その外観はアンティーク家具そのものである。

どこから見てもスピーカーには見えない。
DEDHAMには両開きの扉がついている。
扉には熟練工による装飾が彫られている。

この扉は全開することでフロントバッフルを左右に拡張することにもなる。

DEDHAMは登場時は80万円(一本)していた。
その後98万円になっていた。
Ditton 66は178000円(一本)だった。

DEDHAMの存在を知っている人でも、
Ditton 66のフロントバッフルを、
アンティーク家具調のエンクロージュア(キャビネット)に取りつけたモノと思っているようだが、
実際はDitton 66そのものを家具調のキャビネットに収納している。
Ditton 66をエンクロージュアごと収めているわけで、
その意味ではDEDHAMの外装は、まさしく家具である。

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