バスレフ考(密閉型について)
何度かオーディオ雑誌や個人サイトで目にしたことがあるのが、
それまで使ってきたスピーカーシステムを挙げて、
密閉型ばかり(もしくは中心に)使ってきた、という記述である。
たしかにそこに挙げられているのは、バスレフ型ではないという意味では密閉型である。
けれどそれらが、いわゆるアコースティックサスペンション方式ばかりだと、
少しばかり異を唱えたくなる気持がわいてくる。
アコースティックサスペンションと、
スピーカーユニットの口径に対して十分すぎる内容積を確保した密閉型とを、
いっしょくたに考え、どちらのスピーカーも密閉型と呼ぶのは少し安易ではないだろうか。
どちらのタイプの密閉型も使ってきた人が、
ずっと密閉型ばかり使ってきた(鳴らしてきた)といわれるのと、
アコースティックサスペンションばかり使ってきた人が、
密閉型ばかり使ってきたというのとでは、読み手としては同じに受けとることはできない。
それでもブランド名と型番を挙げて、そう書いてあればまだいい。
どんな密閉型のスピーカーなのかを挙げずに、
ただ「密閉型ばかりを使ってきた」とあっても、
その密閉型が、アコースティックサスペンションの密閉型なのか、それとも違うのか。
そこがはっきりしない。