Date: 2月 25th, 2015
Cate: バスレフ(bass reflex)
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バスレフ考(その4)

ステレオサウンド別冊HIGH-TECHNIC SERIES 4を読む以前にも、
スピーカーの自作関連の本は何冊か読んでいた。
バスレフの設計についても一通りの知識はもっていたけれど、
私にとってのバスレフ型の考え方の基本は、HIGH-TECHNIC SERIES 4の瀬川先生の考え方である。

HIGH-TECHNIC SERIES 4から約十年後、
ヤマハからAST方式のスピーカーシステムが登場した。
専用アンプ込みでのバスレフ方式であり、
AST1の音を聴いて、技術解説を聞いて、バスレフ型の考え方を修整したともいえる。

AST1以前にも、ダイヤトーンのDS503でバスレフポートの材質を変えた音を聴いている。
寸法は同じでも材質が変れば、想像よりも音の変化は大きい。
紙製のバスレフポートでも、エンクロージュア内の開口部の支持の仕方や、
その部分のダンプによっても音が変ることは体験していた。

とはいえ、これらは根本的なバスレフ型の考え方を変えるものではなく、
バスレフ型のチューニングのテクニックとして、であった。

ヤマハのAST1は、バスレフ型の動作とは、本来こういうものだったのか、という驚きがあった。
AST1以前のバスレフ型は、バスレフ型本来の動作とは決していえないものだったからこそ、
瀬川先生がHIGH-TECHNIC SERIES 4に書かれたことが聴感上好ましい結果を生んでいた──、
ともいえるのではないか。そう考えるようにもなっていた。

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