本末転倒だったのか(その5)
チェーンリングとチェーンをトランスと見立てれば、
後輪のホイールがスピーカーということになる。
この場合、タイヤがスピーカーの振動板であり、
リムがスピーカーユニットのフレーム、スポークがボイスコイルとなるだろうか。
では前輪はいったいなんなのか。
前輪には駆動力はかからない。
けれど構造的には後輪とほぼ同じである。
となると、後輪と瞳孔系の前輪はさしずめパッシヴラジエーターなのか。
これが正しい見方かどうかはなんともいえない。
ただこういう見方をした場合、自転車のフレームはスピーカーのエンクロージュアにあたるのか。
スピーカーシステムにおいてもっとも視覚的に大きな存在はエンクロージュアである。
回転体であるホイールはスピーカーユニットとすれば、
自転車全体がスピーカーシステムであり、乗り手がアンプ。
こう考えるのと(その1)で書いた”FRAME MY WHEELS”、
この言葉の意味がわかってくる。