オーディオ「原器」考(その5)
ブログを始めたばかりのころ「4343と国産4ウェイ・スピーカー」というタイトルで書いていた。
4343の登場が1976年。
このころ国産スピーカーに4ウェイのモノはほとんどなかった。
それが数年後、各社から4ウェイのシステムが登場してきた。
4343と同じフロアー型もあればブックシェルフ型の4ウェイもあった。
これは明らかにJBLの4343の成功(爆発的な売行き)があったからこその現象といえる。
ダイヤトーンのDS5000は4343と同サイズである。
このことが何を物語っているのか。
国産メーカーだけでなくアルテックからも6041という4ウェイ・システムが登場した。
6041は後で知るのだが、輸入元による日本発の企画であったらしい。
それにしても、と思う。
これは日本のオーディオだけに限定された現象なのかもしれない。
けれど、そのころの日本はオーディオ大国であった。
非常に大きなマーケットであった。
そこに4343は、ひとつのはっきりとした流れをつくった、といえる。
だからこそ、4343と同時代のスピーカーというテーマが成り立つ。
これだけの影響を与えたオーディオ機器となると、他にどんなモノがあるだろうか。
話題になったオーディオ機器は他にもいくつかある。
どれだけ話題になっても、ひとつの趨勢となるのかは別のことである。
4343の影響は大きくはっきりとしていただけに、
4343はある一時代における「原器」であったはずだ。