オーディオ背景論(その3)
マンガの現場にもはやくからパソコンが導入されている。
そのこともあって、といっていいだろう。
背景の描き方が、手描きだったころとは変化している。
つまり緻密に、どこまでも緻密に描く人が登場している。
私と同世代までくらいだと、大友克洋の「AKIRA(アキラ)」は衝撃だった。
マンガの歴史の中に、劇画の登場がある。
私は劇画登場を同時代に知っているわけではない。
すでに劇画は存在していたから、「AKIRA」の登場は衝撃だった。
おそらく劇画登場を体験していた人でも「AKIRA」は衝撃であったはずだ。
「AKIRA」の登場がマンガの背景を変えた、と私は思っている。
「AKIRA」は1982年に連載が始まっている。まだMacintoshは誕生していない。
誕生していたとしても、マンガの現場ですぐに使われはしなかっただろう。
いつごろからだろうか、
デジタルカメラで撮影し、パソコンにデータとしてとりこんで背景を描く人が登場している。
これがマンガの背景をはっきりと変えた。