2010年ショウ雑感(その7)
別項の「使いこなしのこと」の最初のほうで書いているブースは、今年は、ひどかった。
昨年は、「おやっ?」と思うほど例年の平均レベルからすると、かなりまともな音を出していたから、
実はすこしは期待していた。今年は、去年と同等か、もしくはもっと良くなっているか、と。
でも、ブースに入った瞬間、すでに鳴っていた音は、そんなかすかな期待を見事に粉砕してくれた。
どこかがこわれているとしか思えない音だった。
後日聞いた話では、故障までいかなくても、装置に不備があったらしい。
だからといって、あの音を聴かせるのはどうか、と思ってしまう。
ショウだから、まともな状態で鳴らすのはたいへんなところもあるのはわかっている。
来場者のほとんどもそのへんのところはわかってくれている。
でも、今回の音は、もう音出しをすべきではない。そう思う。
きちんと説明すれば、楽しみにしてこられた方も納得されるだろう。
とりあえず聴かせればいいや(そういう考えがあったのかどうかはわからないが)、
少なくとも、今年のあのブースで鳴っていた音は、そんなふうにも感じさせる。
装置に不備があったことを知っている人はいい。けれど、知らずに、あの音を聴いていた人も少ない。
「音の怖さ」を、このブースの人たち、それにアナログディスクでなさけない音を出していたブースの人たちは、
身に沁みて知る機会がなかったのだろう、きっと。