老いとオーディオ(その1)
昔読んで感心したことのひとつを、このごろ考えている。
いつ読んだのかはもうはっきりとは憶えていない。
たぶん1991年以降、週刊文春か他の週刊誌。
大橋巨泉が語ったことだった。
上原謙について語っていた。
上原謙が1975年に再婚したことについてのことだった。
このときの騒ぎはなんとなく記憶している。
二枚目俳優の上原謙が、こんな女性と……、という感じでテレビ、週刊誌を賑せていた。
上原謙は1909年生れだから、再婚時は65か66歳。
大橋巨泉の記事を読んだころの私はまだ30になっていなかったはず。
だからその時は、読みながら感心しながらも、自分にあてはめて考えることは出来なかった。
そこには、こんなことが書いてあった。
男は歳をとると勃たなくなる。
そうなると勃たせてくれる(勃つようになる)女が、つまりはいい女ということになる。
どういう女がそういう存在になるのかは、他人にはわからないことだ。
本人だって、若いころとは違ってくることだってあろうから、そういう相手に出逢うまでわからないことといえよう。
上原謙にとって再婚相手がそういう存在だったのだろう。
そんなことが語られていた。
このことは考えさせられる。