趣味のオーディオとしてのカタチ(その11)
目の前に紙が一枚ある。
手に取り、ぐしゃっとまるめる。
どんなに細心の注意をはらっても、まるめた紙と同じように別の紙をまるめることはできない。
まるめた紙は似ているまるめた紙はあっても、まったく同一のまるめ方の紙はおそらく存在しない。
だからといって、まるめた紙を「芸術(アート)だ」といえるわけがない。
だが、現実にはこれと同じことをして、「芸術(アート)だ」という人がいる。
まるめた紙がアートとなるのか。
まるめた本人がそういうのであれば、少なくともまるめた本人にとってはアートということになる。
本人だけでなく、一人以上の人が賛同してくれればどうなるか。
アートなのだろう。
ときとして、この程度であってもアートであるけれど、
これでは絶対にデザインにはならない。
(その9)に書いた「4343よりも4333がデザインがいい」という人は、
まるめた紙をアートだといい、デザインだ、といっている人である。