オーディオマニアとして(その13)
録音されたモノを再生する、という行為で、
高城重躬氏の行為と、市販されているプログラムソースを購入して鳴らす、という私を含めての一般的な行為、
このふたつの行為の違いはなんなのか。
別項「ハイ・フィデリティ再考」の(その29)で書いたことをくり返すことになる。
High Fidelity ReproductionかHigh Fidelity Play backの違いである。
High Fidelity Reproductionは、誰かがどこかで録音したプログラムソースを鳴らす行為であり、
High Fidelity Play backは、高城氏がやられていた行為である。
この考えが一般的がどうかはわからないが、私はそう考えている。
グレン・グールドがいうところの「感覚として、録音は未来で、演奏会の舞台は過去だった」、
録音は未来であるためには、reproductionでなければならない。
reproduction(リプロダクション)には、High Fidelity ReproductionとGood Reproductionとがある。
1950年代にイギリスの音響界で、ハイ・フィデリティについて討論がなされていたころ出て来た概念が、
Good Reproduction(グッド・リプロダクション)であり、
最近のステレオサウンドで、ハイ・フィデリティとグッド・リプロダクションの扱われ方には、
いくつかいいたくなるけれど、ここでは控えておこう。