ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その21)
The Gold の記事が載ったステレオサウンド 55号は、1980年6月に出ている。
日本に輸入された台数は、おそらくそれほど多くないであろうスレッショルドの800Aなのに、
想い続けていると不思議と縁もうまれてくるのか、
800Aよりも多く輸入されていたはずの GAS のアンプジラを聴く機会はなかったのに、
このときまでに800Aは地元のオーディオ店で聴く機会が二回あった。
思い入れたっぷりだっただけに、どれだけ冷静に聴いていたのは、いまとなってははなはだあやしいけれど、
それでも800AとJBLとの組合せから鳴ってくる響きには、清楚な心地良さがあったように記憶している。
あぁ、やっぱり、素晴らしいアンプなんだぁ……、と感じていた。
だから「スレッショルド」というブランドへの思い入れも深くなっていた。
なのに、そのスレッショルドのSTASIS1(おそらく800Aを超えるであろうアンプ)よりも、
The Gold のほうがすぐれている、とは信じたくなかった。
だから瀬川先生が、The Gold と STASIS1 をどう評価されるのかが、とにかく一日でもはやく知りたかった。