Date: 8月 20th, 2010
Cate: 朦朧体
Tags:

ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(その20)

スレッショルド STASIS1の記事が載ったステレオサウンド 53号の表紙は SUMO の The Gold だった。
そのThe Goldの記事がのるのは半年後の55号。

ちなみに The Power は52号の新製品紹介記事と
53号の特集記事「いま話題のアンプから何を選ぶか」に登場している。

このふたつの記事を読んでいて、SUMOのことがすこし気になっていた。
そこに55号の The Gold の記事。この記事もやはり井上・山中両氏による対談で構成されている。

いくつか気になるところを抜き書きしてみる。
「音の深み、切れ込みなどもザ・パワーと比べて格段のクォリティが得られます。特にエネルギー感は比類のないもので、これまでに聴いたアンプの中でも抜群といっていいと思います。」(山中)

「力で押すタイプのザ・パワーに対して、ザ・ゴールドからはいくらでもエネルギーが出てくる。」(井上)
「レコードの録音の差も明確にわかります。」(井上)
「こういうアンプは言葉では表現しにくいですね。一定の姿形がありませんからあらゆるいい言葉がいえてしまう。」(井上)

「このしなやかな反応は大変なものですね。(中略)反応が非常にフレキシブルなためにどれが本当の持味なのかわからないのです。」(山中)

読んでいくと、STASIS1で語られたことがもっとよくなっている感じを受けるし、
おふたりの発言にも熱がこもっている、そんな感じを受けた。

そして井上先生のつぎの言葉。
「以前紹介したスレッショルドのステイシス1とよく似た印象がありますが、このアンプはもっと反応が速いしより変化自在だと思います。」

ショックだった……。
STASIS1よりも、すぐれたパワーアンプが、ボンジョルノによるSUMOのアンプだということが。

ほんとうは素直に喜ぶことである。
STASIS1の予価はペアで3,000,000円。The Gold は1,450,000円とほぼ半分なのだから。

なのに、そのころの私は、そうじゃなかった。
私のなかでイチバンのアンプは、つねにイチバンであってほしかったから、ということも関係している。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]