音を表現するということ(その9)
裡なる原型をつくっていくには、リモデリング、リレンダリングの前に、
モデリング、レンダリングの行程がある。
聴こえてくる側には、プログラムソースに内包されている「原型」もあるし、
スピーカーシステムに起因する「原型」といった、複数の「原型」があり、
それら「原型」の組合せをリモデリング、リレンダリングで修整していく。
だが裡なる原型は、ゼロからつくっていくものだろう。
最初からうまくいく性質のものではない。
つくってはこわし、またつくってはこわしのくり返しが、
最初のうちはずっと続いていくのではなかろうか、と思いたくなるほどたやすいことではない。
「原型」をモデリングしていくには、とにかく音楽を聴くこと。
そして、音を聴くこと。ひたすら聴くこと。
ときにはスピーカーシステムを変え、アンプを変え、
アクセサリーの類いにも必要以上に凝ってみることにもなるだろう。
そうやって試行錯誤していくしかない。このことに関しては、誰も手助けはできないのだから。