オーディオ機器を選ぶということ(その10)
特別な環境、特別なモノ……、とにかく特別ななにかに囲まれていることで、
自分を特別だ、と思いこめるのであれば、そう自分を騙せているうちは、幸せなはずだ。
ずっと、それに気づかずに生きていければ、もっと幸せなのだろう。
オーディオが趣味で、まわりの人に迷惑をかけずにやっているのであれば、
その「幸せ」にケチをつけるようなことではない。
オーディオは、私にとって趣味なのか──。
こんなことを考える。
誰かと、まったく同じ部屋(環境)に、同じオーディオ機器。
そういう状況において、よりいい音を鳴らすことができることこそ、特別である、ということ。
もちろん、こんな状況は、実際にありえない。
そんなことをする意味もない、だろう。
特別なモノでなくても、自分の気に入ったモノ、惚れ込んだモノを手に入れて、
鳴らして、望む音を出していけばいいのが、趣味のオーディオだから。
それに、それが趣味のオーディオとしての選択でもあろう。