Date: 2月 27th, 2014
Cate: JC2, Mark Levinson
Tags:

Mark Levinson JC-2(続×八・モジュール構成について)

23歳だったから1986年の夏だった。
ステレオサウンドに載っていたある販売店の広告に、マークレビンソンのML6の文字があった。

本ができあがって書店に並ぶ前に、編集部には見本誌と呼ばれるものが到着する。
その見本誌で編集部のわれわれも広告を見る。

記事は自分たちでつくっているから、広告の方が気になるといえばそうだ。
特に何かをさがしているときは、販売店の広告を注意してみる。

ML6がある。
すぐさま、その販売店に電話した。
まだ売れていなかった。

欲しかった。
数日後の休みの日に、その販売店まで出かけた。
目の前にML6がある。

1986年にはML6はすでに製造中止になっていた。
シルバーパネルからブラックパネルになったML6Aが現行製品だった。

ML6がどれだけ売れていたのかはわからない。
あまり売れなかったのかもしれない。
少なくとも1986年当時には、中古でも出ることがほとんどなかった。

だから、やっと現れてくれた、とまで思った。
ローンを組んだ。このころは36回払いまでしかなかった、と記憶している。

いまのようにクレジットの審査がすぐに出てくるわけではなかった。
数日後、その販売店から連絡があった。
審査は通らなかった。

ML6は手に入れられなかった。未練だけが残った。
その未練が、まだ私の中にはあるようだ。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]