Date: 2月 19th, 2014
Cate: Jazz Spirit
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Jazz Spirit Audio(その3)

2013年のインターナショナルオーディオショウのあるブースで、
パコ・デ・ルシア、アル・ディメオラ、ジョン・マクラフリンによる
“Friday Night in San Francisco”が鳴っていた。

ちょうどそのブースに入いる少し前にかけられていたようで、
一曲目をほぼすべて聴くことが出来た。

ここではCD(もしかするとSACDかも)だったが、
ほかのブースには”Friday Night in San Francisco”のLPが置いてあるのもみかけた。
もう30年以上前のディスクだけど、こうやっていまも鳴らされているのは、それだけでなんとなく嬉しくなる。

このディスクはライヴ録音だから、観客のざわめきや歓声がけっこう収録されている。
そのブースで鳴っていた音は、そういったいわばある種のノイズをきれいに鳴らしていた。
どこかが破綻していたり、おかしな鳴り方をしていたわけではない。

一般的にはよく鳴っている、と評価される音なんだろうなぁ……、などと考えながら聴いていた。
そんなことを考えていたぐらいだから、そこで鳴っていた音に、
“Friday Night in San Francisco”におさめられている音楽に夢中になっていたわけではなかった。

冷静に聴いていただけだった。
そういう音だったからだ。

こういう音では、なぜ観客があれほど昂奮しているのかが、
そこで鳴っている演奏から伝わってこない。

この音を、いい音といっていいのだろうか。

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