程々の音(その3)
V・ハウス「ビルト・インの手法」の部屋の写真は、部屋だけの写真ではなく、
建物の全景の写真もある。
上からみれば、VとWの中間のような形をしている。
たしかにV・ハウスである。
場所は山中湖畔。
別荘なんだな、と中学二年の小僧にもわかる、
そういうつくりの家である。
この部屋にはあるスピーカーは、4343の前身の4341。
こちらもグレーモデル。
コントロールアンプはLNP2のほかにAGIの511もあり、
パワーアンプはマランツのModel 510M。
レコードをふくめ、これらのオーディオ機器すべて、特別誂えの収納棚にビルト・インされている。
いったいどんな人が、ここに住んでいるのだろうか。
どんな人の別荘なのだろうか。
「コンポーネントステレオの世界 ’77」はそういうことは一切書かれていない。
だが一年後、ステレオサウンド 45号を読んでいて、わかった。
田中一光氏の別荘だったのだ。