Date: 10月 14th, 2008
Cate: ワイドレンジ
Tags:

ワイドレンジ考(その14)

B&Oのポータブルラジオの話を聞きながら、思い出していたのはウェスタン・エレクトリックの100Fのことだった。

おそらくB&Oのラジオを聴ける機会は訪れないだろう。
私がこれまで聴いてきた音で、おそらく、これにいちばん近い特質の音を持っていたのは、100Fである。

100Fは、真空管アンプ内蔵の可搬型スピーカーである。
サイズはうろ憶えだが、横幅が30cmくらいで高さは20cmぐらい。
使われているユニットは、ジェンセン製の5インチのフルレンジ。
真空管アンプはACを電源トランスを使わずにそのまま整流・平滑することで、
省スペース化を図っている。入力にもトランスが使われていたはずである。

内容的にはどうってことはない。レンジも極端に狭い。
けれど、いちど耳にすると、強烈な印象を受ける。

ウェスタン・エレクトリックの音、といっても、いまの映画館では、その音は聴けない。
ウェスタン・エレクトリックのスピーカーやアンプを鳴らしている人もいるが、
彼らの音がウェスタン・エレクトリック純正の音と言えるかは、難しい。
その人個人の音であることも関係しているからだ。

それでも、100Fは、ミニサイズだが、ウェスタン・エレクトリック純正の音と私は思う。
おそらく100Fの再生周波数帯域も40万の法則に従っていると感じる。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]