マルチアンプのすすめ(その1)
1977年秋にステレオサウンドからHIGH-TECHNIC SERIES-1として、
「マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ」というムックが出た。
ステレオサウンドからこれまでに何冊の別冊が出たのか数えたことはない。
かなりの数が出ている、としかいえない。
その数多い別冊の中でも、HIGH-TECHNIC SERIESの四冊は、
他の別冊になかなか感じとりにくいものがある。
「マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ」は最初のHIGH-TECHNIC SERIESということもあってだろう、
ステレオサウンドよりもずっと薄い本であっても、当時のステレオサウンドと同じくらいの読みごたえがあった。
マルチアンプシステムがどういうものであるのかについて、
「マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ」を読まなくても知ってはいた。
このころはまだ中学生。
いつかはマルチアンプシステムを、と夢見てもいた。
「マルチスピーカー・マルチアンプのすすめ」は単なる解説書にはとどまっていない。
巻頭に瀬川先生による「マルチスピーカー マルチアンプのすすめ」という記事がある。
五章からなる、この記事は、
マルチアンプシステムとはなにか
バイアンプシステムの流れをたどってみると……
マルチアンプシステムの魅力
あなたはマルチアンプに向くか向かないか
マルチアンプの実際
という項目がたてられ、それぞれに瀬川先生によるこれ以上ないという文章が載っている。