2013年ショウ雑感(その3)
オーディオフェアにも、メーカーのショールームにも足を運ばなかった、その人はこういう。
「人の多いところは苦手だ、極力そういう場所は避けたい」
「フェアやショールームで音を聴いたところで、満足に鳴っていた試しがない」
人の多いところが積極的に好き、という人の方がむしろ少ないのではないだろうか。
誰だって人いきれのするところにできれば行きたくない。私だってそうだ。
それでも、そこに行くことで会いたい人に会えるのならば、行くというものだ。
だから、熊本に住んでいた時、片道約一時間バスに揺られて熊本の中心地にまで出て、
それから20分ちかい距離を歩いて、瀬川先生が定期的に来られていたオーディオ店に行っていた。
中心部からオーディオ店までバスももちろんあったけれど、
高校生の小遣いは限られたものだから、少しでも節約したかったから歩けるところは歩いていた。
そういうところにいた私からすると、
東京はなんと交通の便のいいところだろう、と感じていた。
私が熊本にいたころの、そのときの移動距離にかかる時間も短く、
電車も頻繁に来るから時刻表を確かめておく必要もない。
それにかかる費用も、ずっと安い。
それでも行っていたのは、瀬川先生に会えるからである。