チューナー・デザイン考(パイオニア Exclusive F3・その14)
シルエットとデザインについて考えていると思い出すことがある。
私が子供のころ、テレビではウルトラマンをやっていた。
ウルトラマンをやっていたころ、私の住んでいたところではNHK以外の民放局はひとつしかなかった。
そのあともう一局増えて、いまではさらにふえているけれど、
私が上京するまでは、民放は二つだけだった。
チャンネル数が、東京など大都市とくらべてずっと少なかった、そのころの地方では、
テレビ番組の数もそれに比例して少ないわけで、
ウルトラマンの放送する時間帯、
子供のいる家庭ではほとんどウルトラマンにチャンネルを合せていたことだろう。
みんなウルトラマンに夢中になっていた。私もそうだった。
ウルトラマンにのオープニングには、ウルトラマンや科学特捜隊のメカ、
それに怪獣たちがシルエットで描かれていた。
ウルトラマンに続くウルトラセブンでも同じだった。
主題歌が流れるオープニングではウルトラセブン、ウルトラ警備隊のメカ、怪獣が、
やはりシルエットで描かれていた。
シルエットが伝えてくれる、いわゆる情報量は少ない。
だがウルトラマン、ウルトラセブンでのシルエットは、
それだけで何が描かれているのか、子供にもすぐにわかるほど特徴的であった。
つまり、そのことはウルトラマン、ウルトラセブンに登場する、
ウルトラマンやウルトラセブン、車や戦闘機といったメカ、怪獣のデザインが、
シルエットだけで表現されていた、ということでもある。