私的イコライザー考(妄想篇・その11)
BOSE博士が不満をもったヴァイオリンの再生が、
いったいオーケストラにおけるヴァイオリンなのか、弦楽四重奏におけるヴァイオリンなのか、
それともヴァイオリン・ソロなのか、
そのあたりははっきりとは、どこにも書いてない。
だから勝手な想像でしかないけれど、
私がこのエピソードを読んだ時に頭に浮んでいたのは、ヴァイオリン・ソロについてだった。
ヴァイオリンの再生は、たしかに難しい。
それはオーケストラにおけるヴァイオリンでも、ソロであってもそうなのだが、
ソロのほうが気になるとこがいくつもありすぎて、
ヴァイオリン・ソロの再生は、いまでも難しいと感じている。
ヴァイオリン・ソロも、モノーラル録音よりもステレオ録音になって、
難しさはある面で難しくなってきたのではなかろうか。
ヴァイオリンは、その音の放射パターンが音域によってかなり変化する。
これも含めてヴァイオリンの音色は形成されていることはわかっているけれど、
このことがステレオによる再生面で難しさにもなっている。