私的イコライザー考(妄想篇・その10)
BOSE・2201は半径が22インチの1/8球体。
専用イコライザーとパワーアンプも内蔵しているわけだから、
それほどサイズとしては大型とはいえない、と思う反面、
見慣れぬ形状のスピーカーゆえに、実際に部屋に置いたときに、
どういう印象を抱くのかは、正直想像しにくいところがある。
形状的にもコーナーに設置することになるだろうから、
スペースファクターは悪くはない、といえる。
エンクロージュアの製作は大変だろうな、と思う。
とにかく2201は60セット程度しか売れなかった、らしい。
901はBOSE博士が二週間こもりっきりで考え出したアイディアを基に開発されたスピーカーシステムで、
2201の22本のフルレンジユニットは半分以下の9本に減り、
サイズも、そして見た目も、2201よりもずっと家庭に受け入れやすいモノとして仕上っている。
2201のコンセプトと901のコンセプトは完全に同じものとはいえないにしても、
まったくの別物のスピーカーシステムというわけではない。
その意味で、901は2201のコンパクト化に挑んだがゆえに誕生した形態ともいえるのかもしれない。
BOSEはボストンにある。
ボストンといえば、ブックシェルフ型スピーカーの元祖であるアコースティック・リサーチ(AR)もそうである。
そのことが901が、あのサイズにまとめられたのにどこかでつながっていくのかもしれない。
901は成功した。
BOSE博士が学生のころに、ヴァイオリンの再生がひどく悪かったことから始まったともいえるBOSE。
ふり返ってみると、901の音はたびたび聴いている。
にも関わらずヴァイオリン・ソロを聴いたことがないのに気づいた。