黄金の組合せ(その2)
二日前の日曜日、以前の仕事の知合いから、ちょっとした手伝いを頼まれて、彼の自宅までいってきた。
趣味の話などはしたことはほとんどなかったけれど、
彼がAVにはけっこう興味を持っていたことは知っていた。
彼がいう。
「この中にあるもので、いるものあったら持って帰っていいよ」と。
大半がAV関係の機器だったけれど、その中にひとつだけシャーシーの色が黒ではなく、
しかもコンパクトなアンプが、すぐに目についた。
「あっ、405だ」とすぐにわかった。
国産のAV機器の中に、なぜかQUADの405があった。
廃棄する予定だというから、もらって帰ってきた。
こんなモノがもらえるとは思っていなかったから、持ち運ぶためのバッグもなにも用意しておらず、
さほど大きなアンプでもないから、そのまま抱えて電車に乗り持って帰ってきた。
405は1976年に登場した。
パワーアンプ単体の発表だった。
ペアとなるコントロールアンプはまだだった。
QUADには33というコントロールアンプがあったけれど、
この33は1967年に登場している。
小改良は行われていたときいているけれど、
トランジスターアンプにおける1967年と1976年の9年間の技術の進歩は大きい。
33はやはり303とペアとなるコントロールアンプだった。