Date: 6月 4th, 2013
Cate: 黄金の組合せ
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黄金の組合せ(その3)

ステレオサウンド 52号に瀬川先生が、QUADの405のペアとなるコントロールアンプについて書かれている。
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QUADから♯405が発売されてからもうずいぶん経っている。最初の頃は405に組合わせるプリが出るものと期待したが、一向にその気配もない。ピーター・ウォーカー(QUADの創設者、現会長)に、そのことを質問すると、「♯33の音でどこか不満か?」逆に質問されて、ぐっとつまった話はもう以前にも書いたが、しかし♯44が発売されてみると、どうやら我々はP・ウォーカーにすっかりとぼけられていたらしい。実は昨年の秋のオーディオフェアの頃、来日したKEFのレイモンド・クックからは、QUADが新型のプリを作っている、という情報を聞いていた。ともかく、いかにもQUADらしいのんびりした製品開発だが、しかし鳴ってきた音は、なるほど、と唸らせるだけのことはあると思った。
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405とペアとなる44が登場したのは1979年。405の三年後である。
ほんとうに、QUADらしいのんびりした製品開発である。
それだけコントロールアンプとして優れたモノをつくることがむずかしい、ということでもある。

ピーター・ウォーカーは「♯33の音でどこか不満か?」といっていたとしても、
日本のオーディオマニアの感覚からしたら、不満はないといえばないけれど、
あるといえばある、となる。
33、303とはあきらかに世代の異るアンプであるからだ。

33、303は、QUADらしいセパレートアンプであって、
組み合わせて使うのが至極当然のように受けとめられていた。
他社製のアンプとの組合せ例もあっただろうが、純正組合せで使う例の方が多かったと思う。

405となると、単体で登場したことも影響しているだろうが、
QUAD同士の組合せだけでなく、単体のパワーアンプとして見ても優秀なアンプだった。
だからこそ他社製のコントロールアンプと組み合わせられていった。

AGIの511とQUADの405、
当時比較的多く試みられた組合せである。

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