Archive for 10月, 2019

Date: 10月 7th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(リモコンのこと)

2,500,000円(ULTRA DAC)と125,000円(218)は、
リモコンが付属するかしないかの違いがある。

ULTRA DACはリモコンがついてくる。
218にはついてこない。

リモコンがついてくるついてこないの違いなんて、
関係ない、と思われる人もいるだろうが、
ULTRA DACにしても218にしても、DSPを活かした機能に関してはリモコンが必要になる。

しかも218のリモコンは、iPhoneかiPadで動くアプリMeridian IP Controlのことである。
つまりiPhone、iPadがなければ、218の機能を使いこなすことは、
現時点ではできない。

iPhoneでできるのならば、Androidで動くスマートフォンでも……、と思われるかもしれないが、
将来はどうなるかわからないが、いまのところAndroidのスマートフォンには用意されていない。

それにULTRA DACについてくるリモコンは、
一般的なリモコンと同じ赤外線を使っているが、
218のリモコン、つまりiPhoneには赤外線の機能はない。

そのため、218とリモコンとして使うiPhoneは、
同一ネットワークに接続されている必要がある。

こんなふうに書いてしまうと、難しいことのように思われるかもしれないが、
このブログを読まれている人は、インターネットに接続されているわけだから、
基本的に、そのネットワークにLANケーブルで218を、Wi-FiでiPhoneを接続すればいい。

特に難しいことはない。
同一ネットワークに218とiPhoneが接続されていれば、
Meridian IP Controlですぐに使えるようになる。

ULTRA DACと218の価格の違いには、こういうところも含まれているわけだ。

Date: 10月 6th, 2019
Cate: 「ネットワーク」

オーディオと「ネットワーク」(SNSの選択・その5)

自己責任という言葉が頻繁に使われるようになって、
もう十年程が経つのだろうか。

なんとなくでしかないが、自己責任という言葉が登場し、
使われるようになったのと、インターネットの普及はどこかに関係があるのかもしれない。

自己責任という言葉は、はっきりと嫌いである。
使いたい人は使えばいい。それだけのことである。

その自己責任について、ここで取り上げているのは、
自己責任が使われるようになって、
個人の責任という言葉が代りに使われなくなってきたように感じているからだ。

そして個人の責任から逃避する人が増えてきたようにも感じている。
逃避する、という表現が行き過ぎているのならば、
個人の責任を曖昧にする人が増えてきている、といいなおそう。

自己責任と個人の責任の違いについて、
うまく言い表せないままで書いていくのだが、
結局のところ、(その4)で書いた表現のインフレーションは、
こういうところにもどこかで関係しているような気がしてならない。

その2)でも書いているように、
音楽のこと、オーディオのことを平気でマルチポストする人とは、
音楽、オーディオについて語らないようにしている。

このことも、私にとっては同じことなのかもしれない、と思っているところだ。
個人の責任から逃避している、曖昧にしようとしている人と、
音楽のこと、オーディオのことを平気でマルチポストする人とが、どうしても重なってしまう。

Date: 10月 6th, 2019
Cate: イコライザー

トーンコントロール(その11)

10月2日のaudio wednesdayでは、
メリディアンの218のトーンコントロール機能をゼロにすることはなかった。

どのディスクでも、低音か高音のどちらかはトーンコントロールでいじっていた。

最初に鳴らしたディスクでは、どのくらいの変化量が音としてあらわれるのか、
さぐっていく段階だったので、
低音も高音も、数回、曲を鳴らしながら操作していた。

二枚目を聴いて、三枚目くらいになると、
おおよその目安のようなものはつかめた。

それでもディスクをかえて、このくらいかな、と思って操作して、
そのまま最後まで聴き続けることもあったが、
冒頭の音の十秒ほどを聴いて、0.5dBステップで調整もしていた。

さわってみると実感できるのは、
ひとふりの胡椒、ひとつまみの塩のたとえ通りであるということだ。

こんなに頻繁にトーンコントロールを調整したことは、
これまでをふりかえっても一度もなかった。

だからといって神経質になることはない。
ほんとうに、いい感じで音が決まる感触があって、
iPhoneで手元で調整できるのだから、とにかく触って音を聴くだけである。

メリディアンの輸入元ハイレス・ミュージックの鈴木さんによれば、
ボブ・スチュアートが長年取り組んできた成果である、とのこと。

ULTRA DAC、218のトーンコントロールのアルゴリズムがどういうものなのか、
技術的なことはまったく知らない。
正直、そんなことはどうでもいい。

使ってみれば、その良さはよくわかるはずだ。

Date: 10月 6th, 2019
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その9)

12月に出るステレオサウンドの特集の一つはベストバイである。
マッキントッシュのMA7900はすでに製造中止になっているが、
MCD350は現行製品だから、何人かが点を入れることだろう。

ステレオサウンドの特集で、たとえば総テストだと、
そこでは試聴記とあるように、ステレオサウンドの試聴室で鳴った音について書かれる。

これはこれでいい。
けれど年末のベストバイとなると、ちょっと違ってこなければならないはずだ。

ベストバイである。
ここでは単に音がよいだけではなく、
製品としての安定性とか使いやすさとか、
そういったもろもろのことを含めての判断でのベストバイではないのか。

そして、そこには取り扱い説明書のことも含まれる。
私がベストバイの選者だったら、MCD350の音を仮に気に入っていたとしても、
三つ星をいれることはない。

それはこれまで書いてきていることが理由である。

ベストバイで点(星)を入れる製品すべての取り扱い説明書をチェックするのは、
そんなのは無理だ、とステレオサウンドのベストバイの選者はきっというだろう。

ほんとうに無理なのだろうか。
ベストバイを選出する時期になってから、
ベストバイ候補の機種すへでの取り扱い説明書をチェックするのは時間をかなりとられる。

けれど、ベストバイというのは、一年を通じて接してきたオーディオ機器に、
点を入れる行為である。

ならば最初に接した時に、
ある程度は、その人のなかで今年のベストバイ候補になるのかどうかの判断は、
ついている、と考えられる。

ならばその時点で取り扱い説明書をチェックしておけばいいだけの話だ。

少なくともベストバイで三星を入れるのであれば、
それらの製品だけでもしっかりと取り扱い説明書をチェックしたうえで、
どれだけトラブルに関しても、メーカー側がきちんと考えているのか、
そこまで読み切ってこそのプロのオーディオ評論家なのではないか。

Date: 10月 6th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(その2)

10月2日のaudio wednesdayでは、
後半、MacBook Airをシステムに加えて、Roonによる音も聴いている。

iPhoneにRoonのアプリを、その場でインストールする。
こういう時、なんて便利な世の中になったのか、と実感する。

Roonでいくつかの曲を聴いて後、
マリア・カラスの「カルメン」を聴いた。
96kHzの音源であった。

マリア・カラスの「カルメン」は、
2018年12月のaudio wednesdayでも聴いている。
ULTRA DACで聴いている。

この時のことは「メリディアン ULTRA DACで、マリア・カラスを聴いた」で書いている。
この時聴いたのはCDである。
44.1kHz、16ビットの、通常のCDである。

この時のマリア・カラスは、強烈だった。
いまも耳の奥にしっかりと刻み込まれている。

特に、ULTRA DACのフィルターをshortにした時のマリア・カラスは、
姿こそ見えないけれど、確かに私の目の前にいた、と感じた。

声楽を志す者であれば、誰もがULTRA DACのshortの音を手に入れようとするだろう。
声楽を専門とする人ほど、この時の音のすごさを理解することだろう。

とにかく、どうやって歌うのか。
声楽の素人である私ですら、なんとなくであっても、そうとうにリアルに感じられるほどだ。

その時の音と、218での96kHzのマリア・カラスの「カルメン」。

音源のスペック的には、今回の96kHzが有利である。
なんでもかんでも数字・数値で音を判断しようとする人にとっては、
96kHzというだけで、いい音に聴こえるのだろう。

218での、96kHzのサンプリング周波数のマリア・カラスは良かった。
バックのコーラスはよく広がるし、マリア・カラスの声もいい。

ULTRA DACでの音を聴いていなければ、満足したはずだ。
でもULTRA DACでのマリア・カラスを聴いてしまっている。

Date: 10月 5th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(その1)

タイトルを見ただけで、なんのことかわかる人は、
MQAに興味を持っている人、
メリディアンの二つのD/Aコンバーターに関心を持っている人である。

2,500,000円はULTRA DACの、
125,000円は218の税抜き価格である。

ULTRA DACは218の20台分である。
どちらも優れたオーディオ機器である。

それでも12月発売のステレオサウンドの特集、
ベストバイでは、どちらも高い点数を得ることはないだろう。

ベストバイということでは、218のほうが、ULTRA DACよりもそうである、ということはできる。
ULTRA DACと218は価格だけでなく、サイズの違いも大きい。
容積で計算すれば、ULTRA DACは218の何台分だろうか。

ULTRA DACと218を、喫茶茶会記でのaudio wednesdayで聴いた人はいる。
でも片方だけという人もいる。

218だけを聴いた人は、特にULTRA DACとはどれだけ差・違いがあるのか、
気になるところのはずだ。

私も、実は直接比較試聴しているわけではない。
それでも自分でセッティングしたシステムの音でのことだから、
おおよその想像はつく。

ULTRA DACと218は、価格ほどの違いはない、ともいえるし、
価格以上の格の違いがある、ともいえる。

どんな音楽を、どう聴くのかによって、ここはどちらにも揺れる。
218は、本筋の音を鳴らしてくれる。

これで充分だよ、といいたくなる気持は私だって強い。
だからこそ、audio wednesdayに来てくれた人にすすめるし、
喫茶茶会記の店主、福地さんにもすすめたわけだ。

10月になったので、消費税が8%から10%になり、
218の購入もその分高くなっている。

それでも218は、ベストバイとして自信をもってすすめることができる。

Date: 10月 5th, 2019
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その8)

この項を書くきっかけとなったのも、マッキントッシュのMA7900に関することだった。
MA7900は、その後も、一度ディスプレイに、Firmware updateと表示が出たこともある。

MA7900はスピーカーとCDプレーヤーには接続しているが、
インターネットには接続していないし、そういう端子もない。

にもかかわらず、こんな表示が出る。

どこかが明らかに故障するとか、音がおかしくなっているわけではない。
Firmware updateの表示が出ても、電源を一旦落せば消えてしまう。

とはいえ精神衛生上よくない。
今回のMCD350のデジタル出力のトラブルに関しても同じだ。

リセットすることで、いつもの音になっている。
デジタル出力も使えるようになっている。

けれど、本当にこれでいいのか、と私は思う。
出来の悪いOSで動いているパソコンではないのだから、
不具合が生じたら、一度電源を落せばいい──、
というのは、オーディオ機器の感覚からは離れている。

前回も書いたが、これが登場したばかりのメーカーの製品ならば、
そんなものだろう、とこちらも思うわけだが、
マッキントッシュの製品である。

以前のマッキントッシュならば、
一つのツマミにいくつかの機能を受け持たせるようなことを行っても、
安定していたであろうし、リセットが前提ということはなかったはずだ。

マッキントッシュは堕落し始めている──、
こんなこと思いたくなかったが、
喫茶茶会記にあるMA7900とMCD350を使っていると、否定は出来ない。

そして取り扱い説明書が、また不親切なのだ。

Date: 10月 4th, 2019
Cate: High Resolution,

MQAで聴けるエリザベート・シュヴァルツコップ(その1)

エリザベート・シュヴァルツコップのMQAでの配信が、
e-onkyo musicで始まっているのは知っていた。

それでも、私がいちばん聴きたい曲は、まだそこにはなかった。
出ないのか、しばらくしたら出るのか。

一年後でも二年後でもいいから、出してほしい、
とにかくMQAで聴きたい──、
ULTRA DACでMQA-CDの音を聴いた日から、そう思っていた曲が、
今日から配信されるようになった。

Strauss: Seven Songs – Mozart: Concert Arias”の一曲目、
モーツァルトの“Ch’io mi scordi di te?… Non temer, amato bene, K. 505”である。

シュヴァルツコップの歌唱は、どうも苦手だった。
のめり込めないような何かを、聴く度に感じていた。

そんなときにふと手にしたのが、CD化されたばかりのモーツァルトのアリア集だった。
今回配信された“Strauss: Seven Songs – Mozart: Concert Arias”とは、
だから収録曲に違いがある。

そんなことはどうでもいい。
私がとにかく聴きたかった一曲が入っているのだから。

“Ch’io mi scordi di te?… Non temer, amato bene, K. 505”は、
私にとってシュヴァルツコップへの認識をがらりと変えてくれた。

シュヴァルツコップには、もっと素晴らしい歌唱がたくさんある──、
そうなのかもしれない。

私はシュヴァルツコップの歌唱をすべて聴いているわけではない。

でもそんなことはどうでもいい、と思っている。
美しい音楽が聴ける。
それで充分である──、
そう思いながらも、さらに美しい音で聴きたい、という欲がある。

Date: 10月 4th, 2019
Cate: イコライザー

トーンコントロール(その10)

瀬川先生が、「コンポーネントステレオの世界 ’79」の巻頭、
「’78コンポーネント界の動向をふりかえって」で、トーンコントロールについて触れられている。
     *
 また、音楽の愛好家ならば、レコードを録音本位では買わない。自分の好きな曲、好きな演奏家、を選ぶのは当り前だ。それが結果として良い音であれば嬉しいが、中には録音のコンディションのために、低音や高音の過不足もある。それをそのまま聴くというのもひとつの態度だろうが、私はそれほど寛大になれない。もう反射的に、手がトーンコントロールにのびて、音のバランスを修整したくなる。料理をひと口たべてみて、胡椒をひと振りするのと全く同じだ。ひとふりの胡椒、ひとつまみの塩が、どれほど味を生きかえらせることだろう。
 そういう意味で、くりかえすが私はトーンコントロールやラウドネスコントロールや、フィルタのコントロール類を、やたらと省略するアンプの作り方に全く賛成できない。録音の良いレコードばかりが用意されて、遮音の十分なメーカーの試聴室の中で十分な音量で聴きながら仕上げているかぎりは、たしかにトーンコントロールは不要だろうが、現実に私たちの手に渡ってからのアンプは、そういう聴かれかたばかりではないのだ。GASやマランツやマッキントッシュやQUADのコントロールアンプは、決してトーンコントロールをないがしろにしていない。マーク・レビンソンも、JC2がML1Lになって音質は納得がいったが私自身はLNPにこだわるのもそのためだ。
     *
《ひとふりの胡椒、ひとつまみの塩が、どれほど味を生きかえらせることだろう》
とある。

よくできたトーンコントロールを、
うまく使いこなせれば、ひとふりの胡椒、ひとつまみの塩の例えはまさにそうであり、
味が生きかえることはある。

10月2日のaudio wednesdayで、
メリディアンの218のトーンコントロール機能を、iPhoneでいじっていて、
そのことを実感していた。

それは、初めての、ともいいたくなる実感でもあった。
マークレビンソンのLNP2の3バンドのトーンコントロールは、使ってみると納得できる。

LNP2のトーンコントロールは連続可変ではなく、
切替えスイッチによるステップ式である。

それで不満を感じないといえばそうともいえるが、
時として、ステップがもう少し小さければ、もっといいのに……、
そうおもうことがまったくない、とはいえない。

218は低音と高音の2バンドのトーンコントロールで、
0.5dBステップで増減できる。

Date: 10月 3rd, 2019
Cate: audio wednesday

メリディアン 218を聴いた(喫茶茶会記の場合・その1)

昨晩のaudio wednesdayは、「メリディアン 218を再度聴く」がテーマだった。
正確に、喫茶茶会記で218を再度鳴らす、であって、
私自身は、218を聴くのは二度目ではなく、何度か聴いている。

今回はCDプレーヤーとの接続だけでなく、
ノート型パソコン(MacBook Air)との接続も行った。

iPhoneにMeridian IP Controlをインストールして、操作していた。
roonも途中でインストールして、あれこれ楽しんだ。

私にとって、楽しい時間だった。
喫茶茶会記にも218が導入されればいいのに……、
そんなことも思っていたら、店主の福地さんが決心した。

おそらく年内には218が、喫茶茶会記のシステムに加わることだろう。

Date: 10月 3rd, 2019
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その7)

昨晩はaudio wednesdayだった。
メリディアンの218をテーマにした音出しだった。

喫茶茶会記のCDプレーヤー、マッキントッシュのMCD350と218を接続する。
なのにロックしない。
ケーブルを替えてみてもダメ。

MCD350のデジタル出力がOFFになっているような感じだった。
MCD350のフロントパネル、リモコンを見ても、
デジタル出力をON/OFFできるボタンは見当たらない。

英文のマニュアルを取り出してもらう。
それらしい記述はどこにもない。

私はセッティングをやらなければならなかったから、
常連のHさんにマニュアルに目を通してもらった。

するとリセットの仕方が書いてある、とのこと。
特定のボタンを二つ同時に長押しすることでリセットできる、らしい。

とにかくリセットしてもらう。
今度はロックできた。

やはりリセットする前のMCD350のデジタル出力は、
なぜだかOFFになっていたようだ。

ソフトウェア的に機能を制御しようとした結果が、これだ、と思う。
プリメインアンプのMA7900でも、同じように感じた。

これが、どこか新しいメーカーの製品のことであれば、
そんなものだよなぁ、と終る。

けれど、目の前にあるのはマッキントッシュの製品である。
信頼性は高かったはずのマッキントッシュである。

しかも以前のマッキントッシュの製品ならば、
こんなトラブルは発生しなかっただろうし、
発生したとしても、マニュアルを取り出してくる必要は、ほぼなかったはずだ。

Date: 10月 3rd, 2019
Cate: audio wednesday

第106回audio wednesdayのお知らせ

11月のaudio wednesdayは、6日。
テーマはなんとなく考えているものの、いまのところ未定。
音出しです。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 10月 2nd, 2019
Cate: イコライザー

トーンコントロール(その9)

トーンコントロールは、以前は多くの人が使っていた、と思う。
トーンコントロールがジャマモノ扱いされるようになったのは、
マークレビンソンのJC2の登場の影響は無視できないだろう。

薄型アンプの流行をつくったともいえるJC2だが、
それ以上にトーンコントロールの省略の兆しをつくったアンプでもある。

国産のアンプでもトーンコントロールを省いた製品が登場しはじめたし、
トーンコントロールはついていても、
トーンディフィート(バイパス)スイッチがついていて、
トーンコントロールの回路自体を信号が経由しないようにする機能がつくようにもなった。

プリメインアンプも同じだった。
トーンディフィートスイッチが当り前になってきたし、
トーンディフィートをONにすれば、
回路を一つ経由しないわけだから、いわゆる音の鮮度は向上する。

トーンディフィートスイッチをON/OFFしても、
音の違いが少ないアンプがいいアンプでもある──、
そういうこともいわれたが、トーンコントロールはジャマモノ扱いされていった。

トーンコントロール回路を最初から省いてしまえば、
その分コストが浮くし、
浮いたコストの分だけ価格を安くもできるし、
浮いたコストを、他のところにかければ、性能向上もはかれる。

ある世代から下は、CDが当り前のメディアであって、
LP(アナログディスク)を見たことも聴いたこともないのが普通になった。

いまアナログディスクブームだから、そうでもないだろうが、
とにかく、トーンコントロールがジャマモノ扱いされることで、
トーンコントロールなんて、一度も使ったことがない──、
というオーディオマニアがいても不思議ではないのかもしれないし、
いまはそういう時代なのだろうか。

そこに、DSPを使ったメリディアンのトーンコントロール機能が、
ひっそりと登場した(あえて、ひっそりをつけ加えた)。

Date: 10月 1st, 2019
Cate: audio wednesday

第105回audio wednesdayのお知らせ(メリディアン 218を再度聴く)

audio wednesdayでは、一枚のディスクを何度もかけることが度々ある。
9月もそうだった。

ちょっとした実験をした。
その音の変化をきちんと聴いてもらうために、
他の箇所は変更したくないから、一枚のディスクを、
トラックをいくつか使ったものの、くり返し鳴らした(聴いてもらった)。

以前も書いているが、
とあるオーディオ店で、何かを変える度にかけるディスクを変えていた。
同じディスクでなければ、変えたことによる音の変化を聴き取ることは無理といえるのに、
なぜ? と思っていたら、
同じディスクを何度もかけると帰ってしまう人が多いからだそうだ。

世の中、変ったなぁ……、と思った。

2日のaudio wednesdayでは、ジャクリーヌ・デュ=プレのエルガーのチェロ協奏曲を鳴らす。
このディスクは、一度きりである。

会の終りにかける。
なので22時45分くらいから、になる。

ジャクリーヌ・デュ=プレのエルガーのチェロ協奏曲で、
10月2日のaudio wednesdayはしめたい。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。