BOSE 901と真空管OTLアンプ(その4)
別項「シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力」で、
フルレンジユニットを三発、三角形配置したら、ということを書いている。
この項は、そこへとつながっていく。
三本のフルレンジをユニットをどう接続するか。
4Ωが三本なら、並列で1.33Ω、直列で12Ω、
8Ωが三本なら、並列で2.66Ω、直列で24Ω。
トランジスターアンプからすれば24Ω負荷は出力が低下する一方だが、
真空管OTLアンプなら、8Ω負荷よりも16Ω負荷よりも出力は増す。
ラックスのMQ36のカタログには、
16Ω負荷で25W+25W、32Ω負荷で35W+35Wとあるくらいだ。
同時期のJBLのプロ用ウーファーの2220と2205には、
8Ω、16Ω、32Ωが用意されていた。
いまそんなユニットはJBLも造っていないが、
フルレンジユニットだと16Ωを三本直列にして48Ωにしたいくらいだ。
といっても16Ωのユニットも現行製品だとあまりないだろう。
8Ω三本を直列の24Ω。
これが現実的な値になる。
MQ36だと30W+30Wくらいになるだろうか。
このくらいの規模になると、真空管OTLアンプも自作の対象となってくる。
フッターマンのOTLシリーズの回路図は、インターネットを検索すればすぐに見つかる。
基本は出力管の本数の違いと、それに伴う電源部の違いである。
MQ36くらいの規模でよければ出力管はプッシュプル(二本)で済む。
それだけ発熱量も減る。
電源もOTL1は独立だったけれど、そんな物量投入をすることはない。
自作のハードルがぐっと下ってくる。