Archive for category テーマ

Date: 9月 3rd, 2018
Cate: デザイン

プリメインアンプとしてのデザイン、コントロールアンプとしてのデザイン(その8)

ヤマハのC2と同時代にトリオのコントロールアンプL07Cがあった。
C2が150,000円、L07Cが100,000円だった。

同価格帯には微妙にいいがたい価格差がついていたが、
L07Cは音の良さはかなり話題になっていた。

瀬川先生も、音に関してはなかなかの評価だった。
けれどL07Cのデザインに関しては、ボロクソといえるほどだった。

ステレオサウンド 43号では《デザインに関しては評価以前の論外》とか、
《いくら音が抜群でも、この形では目の前に置くだけで不愉快だ》と書かれていたし、
49号では、こうも書かれていた。
     *
 しかし07シリーズは、音質ばかりでなくデザイン、ことにコントロールアンプのそれが、どうにも野暮で薄汚かった。音質ばかりでなく、と書いたがその音質の方は、デザインにくらべてはるかに良かったし、そのために私個人も多くの愛好家に奨めたくらいだが、ユーザーの答えは、いくら音が良くてもあの顔じゃねえ……ときまっていた。そのことを本誌にも書いたのがトリオのある重役の目にとまって、音質について褒めてくれたのは嬉しいが、デザインのことをああもくそみそに露骨に書かれては、あなたを殴りたいほど口惜しいよ。それほどあのデザインはひどいか、と問いつめられた。私は、ひどいと思う、と答えた。
 *
48号の時点でL07CはL07CIIに改良され、外観も改良された、といっていい。
基本的なレイアウトは同じでも、質感がまるで違うものに仕上がっている。

私もL07Cはひどい外観だと思っていたけれど、
当時は、瀬川先生が、なぜそこまで酷評されるのかはよく理解できていなかった。
このことについては、いずれ書くつもりだが、
そんなにひどい外観のL07Cではあったけれど、それでもコントロールアンプの顔をしていた。

C2は7.2cm、L07Cは10.0cmという高さである。
薄型といえるアンプだから、コントロールアンプに見えていたわけではない。
分厚いフロントパネルだから、プリメインアンプと受けとるわけでもない。

コントロールアンプとプリメインアンプのデザインをわけるのは、
フロントパネルの色でも、厚み(高さ)でもない。

では、なんなのか、となると、ひじょうに言語化しにくい。
けれど、それをはっきりと掴んでいる(いた)メーカーとそうでないメーカーがある。

ヤマハは、(残念ながら)掴んでいたメーカーになってしまった。

Date: 9月 3rd, 2018
Cate: デザイン

プリメインアンプとしてのデザイン、コントロールアンプとしてのデザイン(その7)

国際コンシューマー・エレクトロニクス展覧会IFA2018で、
ヤマハのC5000とM5000が正式に発表になった。
7000ユーロ前後になるらしい。

ということは90万円前後。日本ではいくらになるのかはわからない。
あくまでもヨーロッパでの話である。

そのくらいの価格はするだろうと思っていた。
5000シリーズのセパレートアンプなのだから、当然といえば当然である。

だから、よけいに、これが90万円のコントロールアンプのデザインか……、
と、どうしてもいいたくなる。
仕上げはいいんだろう。

けれどいくら仕上げがよくても……、である。
これが他のメーカー、
つまりプリメインアンプのデザインとコントロールアンプのデザインの区別がわかっていない、
そういうメーカーには、何もいわない。

けれどヤマハは、そういうメーカーではなかった。
むしろ、わかっていたメーカーだっただけに、こうやって書いている。

CI、C2が現役だったころのヤマハのプリメインアンプのフロントパネルに、黒はなかった。
例外はCA-V1という安価なモデルだけだった。

CA2000、CA1000III、CA-S1、CA-R1などはシルバー(白っぽい)フロントパネルだった。

セパレートアンプはブラック、プリメインアンプはシルバーという違いがあったわけだが、
だからといって、フロントパネルの色だけが違いではなかった。

CA2000、CA1000IIIなどの世代のプリメインアンプが製造中止になって、
次の世代、さらに次の世代ごろからヤマハのプリメインアンプもブラックモデルが出てきた。

それでも、それらの機種は確かにプリメインアンプのデザインだった。
フロントパネルが黒だから、コントロールアンプと間違うことはなかった。

今回のC5000にはシルバーとブラックが用意されているようだ。
ブラックパネルのC5000を見ても、コントロールアンプには見えない。
プリメインアンプのフロントパネルでしかない。

Date: 9月 3rd, 2018
Cate: ジャーナリズム

言いたいこと(十年後)

このブログの書き始めは、2008年9月3日の19時7分に公開している。
十年前の予定では、この「言いたいこと(十年後)」が10,000本目となるはずだったが、
現実は8,763本目である。1,200本以上足りずに十年目を迎えている。

一本目は「言いたいこと」だった。

十年経った。
書きたいことは減ってくるのか、と当初は思っていた。
けれど、逆に増えている。

これは嬉しいことではない。
もう書く必要はないな、とほんとうは思いたかった。

Date: 9月 2nd, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(「生命現象の基本にゆらぎを発見」を読んで)

JT生命誌研究館というウェブサイトに、
サイエンティスト・ライブラリーという項目がある。

そこで大阪大学教授の柳田敏雄氏の「生命現象の基本にゆらぎを発見」が読める。

こういうサイトがあるのを、いままで知らなかった。
facebookのおかげで知った。

「生命現象の基本にゆらぎを発見」は、
オーディオとは直接関係があるわけではない。
それでも《ノイズばかりのざわざわした状態そのものがシグナルなのだろう》は、
やはりそうなのか、と思ったし、間違ってなかった、とも思った。

Date: 9月 2nd, 2018
Cate: audio wednesday

第92回audio wednesdayのお知らせ(ULTRA DACを聴く・余談)

今井商事から始まったメリディアンの輸入元は、
その後ハーマンインターナショナル、アクシスになり、
現在のハイレス・ミュージックである。

ハイレス・ミュージック株式会社の英語表記はHi-Res Music Limitedである。
Hi-Resは、一般的にはハイレゾと呼ばれているが、決して語感のいい略語ではない。

別項「Hi-Resについて(その2)」で書いているが、
High Fidelity(ハイ・フィデリティ)の略語、Hi-Fiを、
誰もハイフィとはいわない。

略語の場合は、ハイファイである。
英語の専門家ではないけれど、Hi-Resをハイレゾと呼ぶのには違和感がある。
High Resolution(ハイレゾリューション)の略だから、ハイレゾは安直すぎるように感じていた。

Hi-Res Music(ハイレス・ミュージック)に、
ハイレゾに慣れてしまった人は違和感を感じるのかもしれないが、
私はハイレスのほうが、すっきりと受け入れられる。

Date: 9月 2nd, 2018
Cate: audio wednesday

第92回audio wednesdayのお知らせ(ULTRA DACを聴く)

まず訂正をしておきたい。

メリディアンの207を用意できる、と書いていたが、
207を貸してくださる方から勘違いだった、という連絡があった。
207ではなく206である。

207は、ジャンルとしてはCDプレーヤーということに一応はなるが、
そこに留まらない、当時としては意欲的なコンセプト、
ただ人によっては、余計な機能を……、と捉えていた、と思う。

形式としてはセパレート型CDプレーヤーとなるが、
一般的なセパレート型ではなかった。
トランスポートとD/AコンバーターはSPDIFで接続されるのではなく、
多芯ケーブルとコネクターによるもので、
D/Aコンバーターユニットには、アナログ入力端子を備えていた。

別売のフォノモジュールも搭載可能だった。
TAPE OUTももち、CDプレーヤーとしての出力は固定と可変があった。

CDプレーヤーに簡易的コントロールアンプの機能をもたせた、ともいえるし、
1970年代以前は、チューナー付きコントロールアンプが、数社から出ていた。
このチューナーをCDプレーヤーに置き換えた、ともいえよう。

206は、この207からコントロール機能を取り除いたCDプレーヤーである。
CDプレーヤーとしての性能、音は207と同等のはずだ。

9月5日のaudio wednesdayには、
メリディアンの輸入元ハイレス・ミュージックの鈴木秀一郎氏も来てくださる。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時開始です。

Date: 9月 2nd, 2018
Cate: Jazz Spirit

二度目のナルシス(その2)

ナルシスが今の場所(東京都新宿区歌舞伎町1-13-6 YOビル2F)に移ったのは1978年(らしい)。
40年である。

行けばわかる、古い建物の二階にナルシスはある。
トレイは和式だし、床はタイル張り。
店内にはピンクの公衆電話があった。
Free Wi-Fiなんてものはない。

どっぷり昭和である。
だから、いい、といいたいのではない。

金曜日の別れ際に野上眞宏さんが「ナルシス、最高!」といわれた。
そうだろうとおもう。

ナルシスは堅苦しいジャズ喫茶ではない。
ジャズがかかっていても、おしゃべりしてもいい。

ナルシスにいるときに野上さんは、
「(時代的には)ヒッピーの前のビートニクだね」といわれた。

こういう感覚、捉え方は私にはなかった。

ナルシスは一人で行っても楽しいだろう。
でも、誰かと一緒に行くと、より楽しいはずだ。

前回のナルシスは四年前。
その後、一人でナルシスに何度か通っていたとしても、
「ヒッピーの前のビートニクだね」とは感じなかった、とおもうからだ。

Date: 8月 31st, 2018
Cate: Jazz Spirit

二度目のナルシス(その1)

空間プロデュース、空間プロデューサーという言葉を頻繁に耳にするようになったのは、
いつごろからなのだろうか。

ウソっぽい仕事とは思っていないが、
それでも薄っぺらいと感じることがないわけではない。

どこかの空間プロデュースの会社、
空間プロデューサーの誰かがてがけた店舗というのが、増えているようにも感じる。

空間プロデュースというのは、こういう仕事なのか、と感心する店舗もあれば、
既視感たっぷりの店舗もある。
どういう仕事であっても、ピンもあればキリもある。

それでも個人経営の店であれば、空間プロデュースの必要性はいかほどだろうか──、
と思ったのは、今日、新宿歌舞伎町にあるジャズ喫茶・ナルシスに行ってきたからだ。

ナルシスには四年前に一度行っている。
また行こう、と思いながら、夕方からの営業だから、
ブログを書くことを優先していると、早く帰って……、と思ってしまい、
結果、二度目が今日になってしまった。

前回のことは「会って話すと云うこと(その6)」に書いている。
店は四年前となにも変っていなかった。
記憶にある四年的の比較なのだから、変っているところもあったのかもしれないが、
何も変っていなかった、としか感じなかった。

グッドマンのダブルコーンに、
おそらくパイオニアのホーンEH351Sである中高域が足されている。
アンプも上等なモノではないし、オーディオマニアの興味を惹くシステムとはいえない。

オーディオも四年前のままだった。
ナルシスが入っているビルは、四年分だけ古くなっているはずだろうが、
元々老朽化したビルだから、変ったようにも見えない。

そのナルシスに、今日は写真家の野上眞宏さんと一緒に行ってきた。

Date: 8月 31st, 2018
Cate: audio wednesday

第92回audio wednesdayのお知らせ(ULTRA DACを聴く)

ブースロイド・スチュアートが、ステレオサウンドで紹介されたのは、
48号(1978年秋号)の新製品紹介のページである。

井上先生と山中先生による対談、
山中先生による原稿で、記事は構成されていた。

取り上げられていたのは、コントロールアンプの101、MC型カートリッジ対応の101MC、
35W+35W出力のパワーアンプ103、45W+75Wの103D、100Wモノーラルの105のラインナップだ。

101も103も105も同寸法(W14.0×H5.2×D31.5cm)のアルミ引き抜き材をシャーシーとし、
別電源も用意されていて、103に別電源を加えたのが103Dである。
つまり103を購入して、別電源購入すれば103Dになるわけだ。

コントロールアンプは電源をもっておらず、パワーアンプから供給される。
おそらく別電源からの供給可能だったはずだ。

しばらくしてチューナーの104Sも登場した。
もちろん104Sもコントロールアンプ、パワーアンプと同寸法である。
つまりメリディアン(ブースロイド・スチュアート)の100シリーズは、
これらのアンプユニットを必要に応じて組み合わせ、
実際の設置も縦に積み重ねたり、横に並べたりして使うことを配慮している。

シンプルといおうか、地味といおうか、素っ気ないといおうか、
100シリーズのデザインは、写真からの印象はそんなところだった。
実際に100シリーズでシステムを構築してみると、印象は違ってきたのかもしれない。

これら100シリーズの音は──、と書きたいところだが、
100シリーズを聴いている人はどのくらいいるのだろうか。
私は実機を見たこともない。

私にとって最初のメリディアンのモデルは、スピーカーシステムのM10だった。
アンプメーカーとしてのメリディアンを意識しはじめたのは、MCA1の登場からである。

そして200シリーズの登場。
CDプレーヤーが、アンプと同じ寸法、デザインのシャーシーで登場する。
メリディアンのコンセプトが、かなり明確に打ち出されたのは、この200シリーズからだと思う。
そして200シリーズから500シリーズ、800シリーズと展開し、ULTRA DACがあるといえる。
9月5日のaudio wednesdayでは、ULTRA DACとともに207も聴いていく。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時開始です。

Date: 8月 30th, 2018
Cate: audio wednesday

第92回audio wednesdayのお知らせ(ULTRA DACを聴く)

9月5日のaudio wednesdayは、メリディアンのULTRA DACを聴く。

私自身、ULTRA DACが聴けるのをとても楽しみにしている。
9月のaudio wednesdayのテーマは、ULTRA DACを聴くことなのだが、
せっかくだから、ということで、メリディアンのCDプレーヤー、207も用意できる予定だ。
1988年ごろのCDプレーヤーだから、30年前のモデルだ。

もちろんSACDは再生できない。
セパレート型ではあるが、一般的なセパレート方式ではなかったはずだ。

MCD、MCD-Proよりも、メリディアンらしい音のCDプレーヤーだと私は思っている。
メリディアンらしい、といっても、その当時のメリディアンらしい、なのだが。

ULTRA DACと直接の比較試聴をしてもらおう、というより、
私個人の興味のためである。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時開始です。

Date: 8月 30th, 2018
Cate: 真空管アンプ

現代真空管アンプ考(番外)

現代真空管アンプ考というタイトルをつけている。
現代スピーカー考」という別項もある。

現代、現代的、現代風などという。
わかっているようでいて、いざ書き始めると、何をもって現代というのか、
遠くから眺めていると、現代とつくものとつかないものとの境界線が見えているのに、
もっとはっきり見ようとして近づいていくと、いかにその境界線が曖昧なのかを知ることになる。

1989年、ティム・バートン監督による「バットマン」が公開された。
バットマンは、アメリカのテレビドラマを小さかったころ見ていた。

バットマンというヒーローの造形が、こんなに恰好良くなるのか、とまず感じた。
バットモービルに関しても、そうだった。

「バットマン」はヒットした。
そのためなのかどうかはわからないが、
過去のヒーローが、映画で甦っている。

スーパーマン、スパイダーマン、アイアンマン、ハルク、ワンダーウーマンなどである。
スパイダーマンは日本で実写化されたテレビ版を見ている。
ハルクとワンダーウーマンのテレビ版は見ている。

スーパーマンの映画は、
1978年公開、クリストファー・リーヴ主演の「スーパーマン」から観てきている。

これらヒーローの造形は、現代的と感じる。
特にワンダーウーマンの恰好良いこと。

ワンダーウーマンの設定からして、現代的と感じさせるのは大変だったはずだ。
けれど、古い時代の恰好でありながらも、見事に成功している。

日本のヒーローはどうかというと、
仮面ライダー、キカイダー、ガッチャマン、破裏拳ポリマーなどの映画での造形は、
アメリカのヒーローとの根本的な違いがあるように感じる。

較べるのが無理というもの、
予算が違いすぎるだろう、
そんなことを理由としていわれそうだが、
ヒーローものの実写映画において、肝心のヒーローの造形が恰好良くなくて、
何がヒーローものなのか、といいたくなる。

日本の、最近制作されたヒーローものの実写映画での造形は、
どこか根本的なところから間違っているように思う。

「現代」という言葉の解釈が、アメリカと日本の映画制作の現場では大きく違っているのか。
日米ヒーローの造形の、現代におけるありかたは、
「現代」ということがどういうことなのかを考えるきっかけを与えてくれている。

Date: 8月 29th, 2018
Cate: オーディオ入門

オーディオ入門・考(いつまでも初心者なのか・その3)

「初心者ですよ」とか「まだまだ初心者ですから」と口にするオーディオマニアは、
いったいどういう人なのだろうか。

一方で、自身のことをオーディオのプロフェッショナル、玄人ぶる人もいる。

こういった人たちは、実のところ少数派なのかもしれないが、
インターネットとSNSの普及は、こういった人たちの方が多数のように思わせる。

どちらの人も、オーディオを仕事としている人はまずいない、といっていい。
オーディオ以外の仕事をしている人、
もしくはオーディオ以外の仕事をしてきて、いまは退職されている人であろう。

ほとんどの人が、なんらかの仕事をしている。
つまり、その仕事においては、その人たちはプロフェッショナルである(あった)わけだ。

世の中には多くの仕事がある。
職種がある。
それぞれにおいて、それぞれがプロフェッショナルであるのが、仕事であろう。

けれど、たいした実力もないのに、
オーディオの玄人ぶっている人をみると、
この人は、就いている(いた)仕事において、プロフェッショナルではなかったんだなぁ……、
そんなふうに思うようにしている。

その仕事で給料をもらっているのだから、本来はプロフェッショナルであるべきなのだが、
そうでない人が、どうもいるようだ。

そういう人は、本当のプロフェッショナルを、甘くみているのではないのか。
自身が何のプロフェッショナルでもないのだから、
その程度の見方しかできない。

プロフェッショナルの凄さもわかっていない。
わかっていないから、簡単に自身のことをオーディオのプロフェッショナルとか、
玄人だ、とか、そんなことを口にして、
自分よりキャリアの短い人、安いシステムを使っている人を、
アマチュアだとか、素人だとか、そんなふうに小馬鹿にする。

そんなオーディオマニア(オーディオマニアとはいいたくないけれど)がいる。

そんなオーディオマニアと似た臭いを、
いつまでもいつまでも「初心者ですよ」とか「まだまだ初心者ですから」、
そんなことを口にするオーディオマニアにも感じてしまう。

Date: 8月 29th, 2018
Cate: 真空管アンプ

現代真空管アンプ考(その23)

トランスのことに話を戻そう。

重量物であるトランスをうまく配置して、重量バランスがとれたからといって、
トランスが複数個あることによる問題のすべてが解消するわけではない。

トランスは、まず振動している。
ケースにおさめられ、ケースとトランスの隙間をピッチなどが充填されていても、
トランスの振動を完全に抑えられるわけではない。

トランスはそれ自体が振動発生源である。
しかも真空管パワーアンプでは複数個ある。
それぞれのトランスが,それぞれの振動を発生している。

チョークコイルも、特にチョークインプット方式での使用ではさらに振動は大きく増す。
しかも真空管アンプなのだから、能動素子は振動の影響を受けやすい真空管である。

一般的な真空管アンプのように、一枚の金属板に出力トランス、電源トランス、チョークコイル、
そして真空管を取り付けていては、振動に関してはなんら対策が施されていないのと同じである。

トランスと金属板との間に緩衝材を挿むとか、
その他、真空管ソケットの取付方法に細かな配慮をしたところで、
根本的に振動の問題を解消できるわけではない。

もちろん、振動に関して完璧な対策があるわけではないことはわかっている。
それでも真空管アンプの場合、
トランスという振動発生源が大きいし多いから、
難しさはトランジスターアンプ以上ということになる。

30年ほど前、オルトフォンの昇圧トランスSTA6600に手を加えたことがある。
手を加えた、というより、STA6600に使われているトランスを取り出して、
別途ケースを用意して、つくりかえた。

その時感じたのは、トランスの周囲にはできるだけ金属を近づけたくない、だった。
STA6600のトランスはシールドケースに収められていた。
すでにトランスのすぐそばに金属があるわけだが、
それでも金属板に取り付けるのは、厚めのベークライトの板に取り付けるのとでは、
はっきりと音は違う。

金属(アルミ)とベークライトの固有音の違いがあるのもわかっているが、
それでも導体、非導体の違いは少なからずあるのではないのか。

そう感じたから、トランスの周りからは配線以外の金属は極力排除した。
ベークライトの板を固定する支柱もそうだし、ネジも金属製は使用しなかった。

Date: 8月 28th, 2018
Cate: 戻っていく感覚

二度目の「20年」(続・初期衝動)

初期衝動を照れることなく、まして恰好つけることなく、
ただただ真っ正面から見ることができなければ、
初期衝動を素直にことばにすることはできない。

それができたとして、誰かに読んでもらうとかそういうことではなく、
ただただ自分のために、初期衝動をはっきりとことばにする必要はある。

ここにきて、やっとそう感じるようになった。

Date: 8月 27th, 2018
Cate: audio wednesday

第92回audio wednesdayのお知らせ(ULTRA DACを聴く)

7月半ばに「MQAで聴けるグラシェラ・スサーナ」を書いた。
これを憶えていた人ならば、9月5日のaudio wednesdayでのテーマというか、
メインとなるオーディオ機器がなんなのか、ある程度察しがついていたはずだ。

MQA対応のD/Aコンバーターである。
対応機種は、いまではメリディアン以外にもあるが、
今回聴くのはメリディアンのULTRA DACである。

メリディアンは、日本に輸入がはじまったばかりのころは、
ブースロイド・スチュアートだった。
型番にメリディアンとついていた。

モジュールアンプと呼ばれていた、と記憶している。
その後、パワーアンプ内蔵のフロアー型スピーカーシステムM1が登場した。
このころにはメリディアンがブランド名になっていた。

M1のスコーカーをいま眺めていると、ATCのドーム型スコーカーによく似ている。
メリディアンのスピーカーシステムは、パワーアンプ内蔵の、いわゆるアクティヴ型だった。
M20は、置き場所さえ確保できていたら、購入していたであろう。

メリディアンはCDプレーヤーも、イギリスのメーカーとしては早かった。
マランツ(フィリップス)のCD63をベースにネクステル塗装を施し、
アナログ回路にメリディアン独自の回路を採用したモノだった。

実際には高域の周波数特性を、あるところから1dBか2dBほどレベルを下げていた。
その後、アナログ回路に徹底的に取り組んだMCD-Proも出た。

アンプは、というと、MCAというユニークなプリメインアンプがあったし、
ここでも初期の製品にあったモジュールアンプという設計思想ははっきりとあった。
アンプもCDプレーヤーは、大きいモノはなかった。

アクティヴ型スピーカーシステム、デジタル技術にも積極的なメリディアンだけに、
スピーカーシステムに、デジタル信号処理技術を導入することも早かった。

メリディアンらしい、といえたし、
このころからメリディアンのオーディオ機器のサイズは大きくなっていく。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。
19時開始です。