Archive for category ショウ雑感

Date: 6月 25th, 2023
Cate: ショウ雑感

2023年ショウ雑感(その2)

OTOTENに行ってきた。
予定では土曜日(24日)に行くつもりだったが、
どうにも都合がつかなくなり、今日(25日)になった。

今日は夕方からもともと予定があったので、会場にいられる時間も短い。
そうなると、ジャーマン・フィジックスの音は聴けないかもしれない──。
今回、ジャーマン・フィジックスの輸入元であるタクトシュトックは、
スペックとの合同ブースだから、スケジュール的に合わなくて、という可能性はけっこうある。

それでも聴ける可能性はあるのだから、と思いながら、12時ごろに会場到着。
まずタクトシュトックのブースに行く。

13時30分からジャーマン・フィジックスのHRS130が鳴らされる。
これならば、一時間、途中で抜け出すことなくHRS130の音が聴ける。

それまでの一時間ちょっとのあいだ、他のブースに入ってみた。
といっても二つだけである。

たまたまなのだろうが、最初のブースも、次のブースも、
そしてタクトシュトックのブースでも、アナログディスクでの音出しだった。

どこのブースだったのかは書かないが、
最初のブースでは、LPをかけるときにヒゲをつけるかけ方をしていた。
なんとも無頓着で、スピンドルの先端でLPの中心穴周辺をこすっている。

LPのヒゲに無頓着の人は、けっこういる。
音質には関係ないだろう──、
そういわれればそれまでなのだが、そんな扱いをされたLPは、
どんなにきれいにクリーニングされていても、
「五味オーディオ教室」でオーディオの世界に入ってきた者にとっては、
《レコードを、つまりは音楽をいかに大切に扱い、考えるかを端的に示すこれは一条項だろう》、
ということを思い出させる。

Date: 6月 8th, 2023
Cate: ショウ雑感

2023年ショウ雑感(その1)

今月の24日、25日はOTOTENである。
今年は、ジャーマン・フィジックスの輸入元、タクトシュトックが出展する。

タクトシュトックはジャーマン・フィジックス以外のスピーカーも取り扱っているため、
ジャーマン・フィジックスのスピーカーをつねに聴けるわけではないだろうが、
とにかくオーディオショウで、ひさしぶりにジャーマン・フィジックスが聴ける。

Date: 11月 3rd, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その19)

10月29日公開の(その16)で、
Brodmann Acousticsのスピーカーを聴けなかったことを書いた。

これを読んで30日にインターナショナルオーディオショウに行かれた方が、
フューレンコーディネイトのスタッフに、
「Brodmann Acousticsのスピーカーは鳴らされないのですか」とたずねたところ、
「3時すぎくらいになって、人(客)がいなくなったら鳴らすかもしれません」
という答が返ってきた、とのこと。

そうか、やっぱりそうなのか、とその話をきいて思っていた。
私が行ったタイミングが悪くて、Brodmann Acousticsのスピーカーを聴けなかったわけでなく、
基本的に鳴らしていないことが、このスタッフの返事から伝わってくる。

フューレンコーディネイト取扱いのスピーカーでは、
Brodmann Acousticsよりもピエガのほうが売れているのだろうから、
メインといえるピエガを鳴らすことに時間を割くのはわかる。

それでも展示だけでなく、少しは鳴らしてくれてもいいように思うのだが、
おそらく来年のインターナショナルオーディオショウでも、
Brodmann Acousticsのスピーカーは聴けないのだろう。

Date: 11月 2nd, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その18)

インターナショナルオーディオショウの会場である国際フォーラムは、
ブースの数に限りがある。
そのため出展社の数も限られてしまう。

行くたびに思うことは、
日本インターナショナルオーディオ協議会のメンバーでなければ
出展できないのは仕方ないにしても、そのことによって、
インターナショナルオーディオショウでは聴けないブランドが存在するということ。

たとえばハーベス。
ステレオサウンドでの評価は高い。
けれどハーベスの輸入元であるMプラス コンセプトはメンバーではない。

聴きたいと思っている人は少なくないはずだけど、
いまのところインターナショナルオーディオショウでは聴けないままだ。

私はハーベスの初期のスピーカー、Monitor HLの音には惹かれた者の一人だが、
ハーウッドから現在のアラン・ショウの開発になってからのモデルには感心したことがない。
それでも最近のハーベスのスピーカーは、きちんと聴いてみたいと思うようになっていることは、
別項で以前に書いている。

けれどインターナショナルオーディオショウでは聴くことがかなわない。
ハーベスだけではない、ジャーマン・フィジックスもメリディアンも聴けない。
他にもいくつかあるけれど、すべて挙げることはしないが、
この状況をなんとか解消してほしい、と思う。

スピーカーを開発もしくは輸入していない出展社はある。
そこがスピーカーに、ハーベスを使おうと思ったとしても、無理である。

ハーベスの輸入元が貸し出しを諒承してくれたとしても、
日本インターナショナルオーディオ協議会の規則でそれは無理なのだ。

日本インターナショナルオーディオ協議会のメンバー取扱いのブランド以外は、
持ち込めない、鳴らせないという規則がある、ときいている。
ちなみに講演者の私物は持ち込めるようでもある。

そういう規則があるのもしかたないと思う反面、
なんとかすることはできるはず、とも思っている。

Date: 11月 1st, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その17)

10月28日に行っているので、今日で四日経つ。
インターナショナルオーディオショウで聴いた音で、
YGアコースティクスの小型スピーカー、CAIRNの音は、
やっぱりすごかったなぁ、と印象に残っている。

小型スピーカーとつい書いてしまうが、
小型スピーカーはスモールスピーカー(small speaker)と
コンパクトスピーカー(compact speaker)とに分かれる。

多くの場合、スモールスピーカーなのだが、
今回のYGアコースティクスの小型スピーカーは、コンパクトスピーカーだった、といえる。
それだけの力量を備えているのだから。

YGアコースティクスのコンパクトスピーカーの音を思いだすと、
小型スピーカーの系譜、というテーマで書けるな、と思ってしまう。

といっても書くかどうかは、いまのところなんともいえないが、
別項「あるスピーカーの述懐(その38)」で書いたことの続きは、
どこかで書くつもりでいる。

Date: 10月 30th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その17)

JBLで音楽を聴いている人は、ロマンティストなんだ、と。
もちろんJBLで聴いている人すべてがそうだとはいわないし、
現在のJBLのラインナップのすべてを、ここに含める気もさらさらないが、
私がJBLときいてイメージするスピーカーシステムで聴いている人は、
やはりロマンティストだ。

四年前に、こんなことを書いている。

今年、四年ぶりのインターナショナルオーディオショウで、
各ブースの音、つまり各ブースに置かれているスピーカーを聴いて、
こんなふうに思えるスピーカーはあっただろうか──、
そんなことを、いまおもっているところ。

Date: 10月 29th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その16)

その他の雑感をいくつか。

行く前からなんとなくそうなるだろうと予想はしていたけれど、
少なくとも私が各ブースをまわったかぎりでは、
今年のインターナショナルオーディオショウでMQAの音は聴けなかった。

今年はアクシスのブースで、
ファインオーディオとFMアコースティックスの組合せの音を聴けなかった。
タイミングが悪かっただけで、たぶんこの組合せでも鳴らしていたと思う。

聴けなかった音は、まだある。
フューレンコーディネイト扱いのBrodmann Acousticsのスピーカーだ。
ベーゼンドルファー・ブランドだった時に聴いて以来、なかなか聴く機会がない。

SMEがきちんとしたかたちで復活していたのは、嬉しいことの一つだ。

Date: 10月 28th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その15)

上の階から順番にまわっていたので、
最後は一階のハーマンインターナショナルのブースになる。

別項で書いているマークレビンソンのML50が、JBLのDD67000を鳴らしていた。
別項でML50をパチモンだと書いた。

実機は写真ほどにはパチモン的ではなかったけれど、
中学、高校時代、マークレビンソンに憧れてきた私の目には、
パチモン的に映ってしまう。

ハーマンインターナショナルのスタッフによると、ぎりぎり間に合ったそうである。
ML50も、昨今の半導体不足の影響を受けていて、
本来ならば9月から量産にはいる予定だったのが、いまだ無理とのこと。

ディスクをかけかえながら操作していた人によると、
ML50の音をきちんと聴くのは、このショウが初めてとのことで、
どんな音なのか、楽しみながらディスクを選んでいる、とも話されていた。

この人は、2018年OTOTENの人と同じはずだ。
この人はOTOTENでも感じていたことなのだが、いい感じでディスクを選びかける人だ。
間延したりしない。

あえて名前を出すが、ノアのブースの人とは大きく違う。
ノアのスタッフの人は、毎年、よけいなしゃべりを入れてくる人だと感じてしまう。
音を鳴らすまでのしゃべりが長い。

その内容もどうでもいいことであって、
しゃべるな、とはいわないけれど、もっとテンポよくディスクをかけかえればいいのに……、
そんなことを毎年感じている。

ハーマンインターナショナルの人も司会進行のプロではないのだろうが、
オーディオマニアの気持を、音楽好きの気持をわかっている人なのだろう。

ハーマンインターナショナルのブースを出るとき、
展示されているオーディオ機器を、興味深そうに見ている三人組がいた。
みた感じハタチ前後ぐらいの女性の三人組。

事前予約制なのだから、彼女らも予約しての来場のはず。
少しではあるけれど、違う風が吹きはじめているのだろうか。

Date: 10月 28th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その14)

音で印象に残っているのは、もうひとつタイムロードのブースだ。
スピーカーはNodeのHylixa、球体状のスピーカーシステムだ。

ここでの音は、このスピーカーの音ということももちろんなのだが、
ちょうどかかっていたディスクとの相性を含めての音である。

かかっていたのは、Yelloの“The Vanishing of Peter Strong”という曲だった。
曲を検索してくれるShazamがあるから曲名がすぐにわかったけれど、
私はYelloというバンドも知らなかった。

“The Vanishing of Peter Strong”のよさを、
Hylixaは見事なほどに発揮していた、と感じながら聴いていた。

人工的な音響空間の曲のつくりなのだろうが、
目を閉じて聴いている時の空間の認識が、
Hylixaの置き位置と一致しないほどに気持ちよく拡がっていた。

Hylixaというスピーカーの特質をもんとも活かす選曲だと思うし、
“The Vanishing of Peter Strong”ならではの音の世界を、
もっともよく再現してくれたスピーカーでもあったはずだ。

曲とスピーカー、それぞれの特質の相性がこれほどマッチしていたのは、見事。

Date: 10月 28th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その13)

インターナショナルオーディオショウに行ってきた。
コロナ禍のため事前予約が必要であり、
初日が1000人、二日目、三日目が2000人という入場者数の制約があったので、
いちばん少ない人数の今日を選んでのことだ。

空いていた。
このくらいだといいなぁ、と思いながら会場を上の階から順番にまわっていた。

オーディオ評論家がデモをやっているところは避けつつ、
満遍なくすべてのブースの音を聴くつもりだんたのだが、
ヤマハのブースは人気があって、入場制限があって入れなかった。

そうやって聴いてきたブースで印象の残っているのをいくつか書いておく。

まずリンのブース。
リンは毎年二つのブースを使っている。今年も同じである。
リンのトータルシステムが鳴っている。これも毎年同じ。

リンのブースを出て、隣りのリンのブースに入る。
鳴っていた曲は、さっきまで聴いていた曲で、
それも同時に同じ曲を二つのブースのシステムで鳴らしているようで、
システムのグレードによる音の違いが、はっきりと聴くことができる。

いつもそうなのかはわからないが、私が入った時はそうだった。
このやり方は、これからも続けてほしい。

今回、音で驚いたのはアッカのブースだった。
YGアコースティクスの小型スピーカーが鳴っていた。

ちょうど真ん中の席で聴くことができた。
YGアコースティクスのスピーカーの音は、毎年聴くたびに感心する。

その感心の度合は、今年の小型スピーカーがいちばん大きかった。
別項で「見える音」、「見るオーディオ」について触れているが、
まさしくYGアコースティクスの小型スピーカーは、そういう音だった。

アッカのブースを出た後、価格を確認したら、けっこうな値段だ。
これだけの音が鳴って当然といえばそうなのだが、
それでもオーディオ的好奇心を高く満たしてくれる音であるのは確かだ。

Date: 10月 27th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その12)

明日からインターナショナルオーディオショウ。
私の関心の一つは、(その10)で書いているように、マジコのM9が聴けるどうか。

先ほどインターナショナルオーディオショウのウェブサイトを見ていた。
エレクトリのところに、こう書いてあった。

《MAGICO M9は、移動および搬入/搬出が困難なため展示/デモンストレーションはございません。何卒。ご理解の程お願い申し上げます。》

やはり無理なのか、聴けないのか。
しかたない。

Date: 10月 26th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その11)

明後日には、インターナショナルオーディオショウが開催される。
昨年は行かなかったので、四年ぶりに行くことになる。

行くとなると、今年はどんな音が聴けるのか、
忘れられない音を聴けるだろうか、とやはり期待する。

これまでのインターナショナルオーディオショウで聴いたなかで、
忘れられない音は少ないけれどある。

まず最初にあげたいのは、
タイムロード時代のジャーマン・フィジックスのUnicornの音である。
何時間でも聴いていたい、と思ったし、
一日のうち三回ほどタイムロードのブースに入っていたし、
開催期間中に、もう一度聴きたくなって、また出掛けたほどである。

二番目に思い出すのは、ノアのブースできいたソナス・ファベールのCremonaだ。
アンプは、当時のノアが取り扱っていたVTLの管球式アンプ。
外観的には似合わない組合せなのだが、
Cremonoはこんなにいいスピーカーなのか、
VTLはこんなにいい管球式アンプなのか、
そんなふうに思わせるほどに、その音は見事な相性だった。

オーディオショウなんかで、いい音なんて聴けない──、
そう吹聴する人がけっこういるけれど、確かに少ないことは少ないものの、
時にはハッとする音に出逢うことも確かにある。

毎回そうだとはかぎらないけれど、今年は聴けるだろうか。

Date: 10月 13th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その10)

インターナショナルオーディオショウの、
各ブースのスケジュールが発表になっている。

このスケジュール表ではわからないのは最初からわかっていることなのだが、
私が今年のショウでいちばん関心あるのは、
マジコのM9が聴けるのかどうか、である。

今回オーディオショウに足を運ばれる多くの人の関心は、ここにあるように思う。
価格といい重量といい、どこかに行けば聴けるというシロモノではない。

エレクトリのブースで、M9は聴けるのだろうか。
運搬・搬入、設置の大変さを考えると、M9がなくてもしかたない、と思ってしまうが、
それでも聴きたい気持は、やはり強い。

おそらく聴けるだろう、と勝手に期待している。

スケジュール表をみて気づくのは、柳沢功力氏の名前がないことだ。
昨年のオーディオショウには行ってないので、どうだったのかはわからないが、
今年は、どの出展社のところにもない。

コロナ禍前は、ステラ/ゼファンのブースで、最終日は柳沢功力氏という感じだった。

とにかくスケジュール表にある名前を眺めていると、
ずいぶんかわってきたなぁ……、とおもうだけである。

Date: 10月 8th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その9)

今月末に、インターナショナルオーディオショウが開催される。
今年も昨年同様、予約制。

今年も、オーディオ評論家がそれぞれのブースで、講演という名の音出しを行う。
オーディオショウにおけるオーディオ評論家とは、なんなのだろうか。

それぞれの出展社にとっては、オーディオショウでの音出しは、
プレゼンテーションだと思う。

だとすれば、オーディオ評論家はファッションショウにおけるモデルなのではないのか。
新作の服を、来てくれた人たちに対し、より魅力的に見せること、
これがモデルの仕事のはずだ。

オーディオ評論家も同じではないのか。
それぞれのブースに届いた新製品を、どう魅力的に鳴らすのか。

ただ単に製品の解説をするだけならば、出展社のスタッフにできることだ。
オーディオ評論家たからこそできること、
それが今年のインターナショナルオーディオショウで聴けるだろうか。

Date: 6月 16th, 2022
Cate: ショウ雑感

2022年ショウ雑感(その8)

別項「試聴ディスクとオーディオショウ」で書いたことを、
今回のOTOTENでも思っていた。

すべてのブースで共通してかける(鳴らす)ディスクが、
一枚か二枚程度あってもいいのではないか、ということ。

OTOTENは、若い人たちに来てもらおうとしている。
成功しているとはまだまだ言い難いけれど、
インターナショナルオーディオショウよりは若い人の割合は多かったように感じている。

OTOTENを含めて、こういったオーディオショウは初めて、
という人がどのくらいいるのかはわからない。
ゼロということはないと思っている。

その人たちは、各ブースをまわって、音を聴いてどう思っている、感じているのか。
それを考えても、一枚でいいから、すべてのブースで、決った一枚のディスクを鳴らしてくれれば、
それぞれのブースの音の特徴が、より掴めるようになるはずだ。

いわばリファレンスディスクを決める。
そのリファレンスディスクをどう鳴らすのか。
音量の設定一つとっても、それぞれのブースで違ってくる。

それでいいし、それだからこそ、それぞれのブースのスタッフが、
リファレンスディスクの音楽をとう捉えているのかがはっきりとしてくる、ともいえる。