2023年ショウ雑感(その15)
ナスペックのブースで、
モニターオーディオのPlatinum 300 3G担当の女性スタッフの方は、
最初に「私の好きな曲ばかりかけます」と前置きされた。
ジブリ作品が大好きということで、「もののけ姫」も鳴らされたし、
推しということで、福山雅治の歌もかけられた。
そんなふうに進んでいった。
別項で「好きという感情の表現」を書いているけれど、
そのことを考えていた。
ナスペックの男性スタッフも、他の出展社のスタッフも、
基本的には好きな音楽をかけているのではないのか。
好きな音楽のなかから、
そこでのアンプやスピーカーなどの特色を活かしてくれそうな曲を選ぶ──、
そうおもいたいけれど、実際にはほんとうに、このスタッフは、この曲が好きなのだろうか、
と疑問に感じることが多い。
好きという感情をストレートに出すことにためらいがあるのか。
だとしても、なんらかの感情は伝わってきそうなものな……。
男性らしさ、女性らしさ、などという。
でも人それぞれなのだから、男性(女性)らしさということよりも、
性別に関係なく、人はみな違うということであっても、
オーディオショウでの選曲においての女性らしさとは、
好きという感情を素直に出してくれるところにある、と私は思っている。
この女性スタッフは途中で、竹内まりやの「告白」を鳴らされた。
「告白」はAudio Necでのプレゼンテーションで最後にかけられた曲であり、
アンプ、CDプレーヤーなどがまったく同じ条件で、
スピーカーシステムだけがAudio NecからPlatinum 300 3Gに替わったのだから、
比較試聴という意味での選曲だった。
「告白」を鳴らし終ったあと、「やはりずいぶん違いますね」といわれた。
価格がPlatinum 300 3GとAudioNecとではずいぶん違う。
だから、かなりの違いがあって当然なのだが、
とはいえAudio Necの鳴り方が、必ずしも好ましいとはいえないところも感じていた。