Archive for category JBL

Date: 7月 10th, 2011
Cate: D44000 Paragon, JBL, 組合せ

妄想組合せの楽しみ(その35)

プリメインアンプのオラクルのSi3000をもってきておいて、なぜコントロールアンプを使うのか。
Si3000、JBLのパラゴンとの組合せにふさわしいモノとなると、安いものではすまない。
それなりの金額のするものとなる。

本来必要としないものにお金をかけることこそ無駄だどころか、
わざわざ余分なお金をかけて、音を悪くするようなものではないか、と思われる人もいよう。

音の鮮度ということを最優先に考えれば、余計な回路は通したくない、という気持は私にだってある。
そう思いながらも、鮮度の高い音は、必ずしも鮮明な音ではない。
一般に言われている鮮度の高い音が鮮明な音とイコールのこともあるが、鮮明に音楽を響かせるかというと、
音の出口となるスピーカーシステムに、何を持ってくるかによって、変ってくる。

ここで組合せの要となっているのJBLのパラゴンという、もう半世紀も前につくられたスピーカーシステムである。
しかも、通常のスピーカーシステムとは大きく異る構造をもつ。
使いこなし、鳴らし込みも、一筋縄ではうまくいかない面ももつパラゴンだけに、
あえてコントロールアンプを使いたい。そうすることが、逆に近道になる予感がなんとなく感じられる。

それに鮮度の高い音だけが、音楽を新鮮に聴き手に感じさせるわけでもない、ということも書いておきたい。

Date: 6月 23rd, 2011
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その19・補足 2440のこと)

JBL初の4ウェイのスピーカーシステム、
4350のミッドハイを受け持つコンプレッションドライバー2440につながるネットワークはハイパスのみだと書いた。

4350の後継機4355では2440から2441に変更され、ネットワークもハイパスもローパスもある。
一般的なネットワークと同じ仕様となっている。

2440の周波数特性のグラフを見ればわかるように、ほぼ10kHz以上急峻にレスポンスが低下する。
ほぼ垂直に音圧が減衰している。
このような特性であれば確かにローパス(ハイカット)フィルターは不要かもしれない。
ネットワークでカットするよりもずっと急峻なカーヴで減衰しているからだ。

2441はダイアフラムのエッジをダイアモンド(折紙)状にすることで、高域のレスポンスを広げている。
2440と2441の周波数特性のグラフを重ねてみると、2441の高域の延びはあきらかだが、
4〜5kHzからはなだらかにレスポンスがさがっていく。
このあたりの帯域から10kHzまでのレスポンスをくらべると2440のほうがフラットといえる。

2440と2441の相違点は、ダイアフラムのエッジのみ、であったはずだ。
なのにこれだけ高域の周波数特性において違いが生じている原因は、
2440(375もそうだが)は、エッジの共振点を9.6kHzに設定しているからである。

だから2440(375)の周波数特性は10kHzで肩を張ったようになっている。
肩を張ったような特性だから、
2441(376)よりも再生限界の10kHzまで2440(375)のほうがフラットに近い、というわけだ。

10kHzまでほほフラットで、それから上の帯域では急激にレスポンスが低下するのであれば、
ネットワークのローパスフィルターが不要になるし、なんら問題がないように思えるが、
共振を利用したものは、その共振の悪影響が音として現れる。
2440(375)ではエッジの共振周波数(9.6kHz)あたりが耳につきやすくなることは容易に想像できる。

ここが4350の鳴らし込みの難しさと面白さに大きく関係している、と思っている。
2440の周波数特性を利用してネットワークのローパスフィルターを省いた良さと、
9.6kHzのエッジの共振が耳につきやすいという悪さが同居している。

ならば2440にローパスフィルターを加えればすべて解決するかというと、そうはならない。
2405とのクロスオーバー周波数9kHzである以上、ネットワークでどうこうできる問題ではない。

ではどうしたらいいのか。
ていねいに鳴らし込んでいくしかない。

Date: 3月 10th, 2011
Cate: 4343, JBL

4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その11)

スピーカーシステムの後側の壁面が大きなガラスだったら、
ほとんどの人が嫌がるだろうし、実際ガラスとの距離がそれほど確保できない場合は、そのままでは耳障りになる。

ジャーマン・フィジックスのDDDユニットが、
ほかのスピーカー(つまりピストニックモーションによるもの)と大きく異るのは、まずここだ。
水平方向には無指向性があるから、ガラスのような反射壁に近づけたら、
フロントバッフルにのみスピーカーユニットがある通常のものよりも、
ガラスからの反射が多くなりよけいに耳障りな響きがのってくる、と思いきや、
実際には響きが豊かになるけれど、耳障りな響きが増すわけではない。

推測にしかすぎないが、
おそらくDDDユニットから放射されている波面がきれいに広がっていっているためだと思っている。

水面に石を落す。
波紋がきれいに広がっていく。石を複数落していくといくつもの波紋ができ、ぶつかりあう。
ぶつかることで波紋が乱れるかといえば、そんなことはない。

DDDユニットを壁にぐんと近づけても、いやな響きがのりにくいのは、このことと関係している気がする。
おそらくDDDユニットから放射される音の波面を真上からみたとしたら、
水面にできる波紋と同じようにきれいに広がっていっているのだろう。

乱れがない(極端に少ない)から、壁に当っても反射されてくる波面も乱れが少ない。
だから壁の素材の固有音に起因するいやな響きがのりにくい。
私は、そう考えている。

まわりの壁の影響を受けやすいスピーカーは、波面の乱れが大きい(汚い)せいではないのか。

Date: 3月 9th, 2011
Cate: 4343, JBL

4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その10)

スピーカーの指向特性については、人によって意見が分かれる。
広ければ、直接音に対する壁からの反射による間接音の比率が増えてくるわけだから、
それだけ部屋の影響を受けやすくなる。
それに聴くのは、つねに左右のスピーカーから等距離でいつも聴いているから、
むしろ狭い方がいいくらいだ、という声は、ずいぶん昔からある。

ときには、こんな声もある。
楽器に無指向性のものはないのだから、無指向性スピーカーのどこに意味があるのか、と。

だが、ほんとうに指向特性のいいスピーカー、もっとも優れている無指向性スピーカーは部屋の影響を、
より受けやすいのか。つまりいい部屋でなければ、うまく鳴らないのか。

たとえば以前からあったビクターのGB1や、
比較的新しいところではソリッドアコースティックスの12面体のスピーカーが、
いわゆる無指向性スピーカーと、なぜか呼ばれてきている。

これらは小口径のフルレンジスピーカーを多面体のそれぞれの面にとりつけたものにしかすぎず、
決して無指向性スピーカーではない。
これらのスピーカーを無指向性スピーカーとするならば、確かに部屋の影響は受けやすいだろう。

でも、ジャーマン・フィジックスのDDDユニットのように、水平方向のみではあるが、
真に無指向性スピーカーは、何度か聴く機会があり、セッティングを自由に変えてみることもできた。
だからいえるのだが、DDDユニットは、むしろ部屋の影響を受けにくい。

過去のオーディオの常識にとらわれていると、そうは思えないことだろうが、事実だ。

Date: 2月 19th, 2011
Cate: 4343, JBL

4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その9)

瀬川先生の4ウェイ構想は、
各帯域を受け持つスピーカーユニットをできるだけピストニックモーションの範囲内で使いたいがため、
たいてい、こう受けとめられている。

それは誤解とまではいえないけれど、
瀬川先生の4ウェイ構想は、ピストニックモーションと同じくらい、指向特性を重要視しての結果であることが、
意外に見落されている。

私は、むしろ指向特性の方をより重視されていると受けとっている。

私が読んだ瀬川先生の4ウェイ構想は、
ステレオサウンド別冊のHIGH-TECHNIC SERIES-1に掲載されてたもので、
そこでは指向特性については、それほど触れられていない。
私も、最初読んだときは、ピストニックモーションの追求しての構想だと受けとっていたし、
その後、数年間はそう思い続けてきた。

けれど、瀬川先生の書かれたものを広く読んでいくと、
そのなかでも瀬川先生のリスニングルームの環境について書かれたものを読んでいくうちに、
スピーカーの指向特性をひじょうに重要視されていることがわかってきた。

Date: 2月 7th, 2011
Cate: D44000 Paragon, JBL

パラゴンの形態(その2)

JBLの、以前のトレードマークは、Jに「!」を組み合わせたものだった。
このとき言われていたのは、「!」はドライバーとホーンの組合せを表している、ということ。

下部の点がコンプレッションドライバーで、上の部分がホーンにあたるわけだ。
そんな視点からパラゴンを見ると、375とホーンのH5038Pは、まさしく「!」そのものだ。

しかもパラゴンのウーファーの音道はJの形をしていて、その開口部に375+H5038Pがある。
このふたつが、JBLの以前のトレードマークそのものになっている。

パラゴンのデザインは、子細に見れば見るほど、凄い! と思うしかない。
アーノルド・ウォルフは、きっとトレードマークを意識してパラゴンをデザインしたのだろう。
そうとしか思えない。

スーパーウーファーについて(パラゴンに関しての余談)

仮想音源について考えると、JBLのパラゴンをマルチアンプで、
デジタル信号処理で3つのユニットの時間差を補整して鳴らすのは、果してうまくいくのだろうかと思ってしまう。

パラゴンではウーファーいちばん奥にある。しかも低音のホーンは曲っている。
もうパラゴンを聞いたのはずいぶん昔のことで、しかもまだハタチそこそこの若造だったため、
音源がどのへんにできているかなんて、という聴き方はしていなかった。

低音の仮想音源は、高音用の075の設置場所のすこし手前であたりにできるのだろうか。
低音のホーンはこのへんでカーブを描いている。

そして中音は中央の大きくカーブした反射板をめざすように設置されている。
反射板も、中音に関しては、左右チャンネルの音が交じり合っての仮想音源となっているだろう。

高音と中音の各ユニットは近くに位置している。

パラゴンの図面を眺めるたびに、いったいどこにそれぞれの音域の音像は定位するのだろうか、と考えてしまう。
考えるよりも、実際にパラゴンを聴いた方が確実な答えがでるのはわかっている。
でも、いまその機会はないから、こうやってあれこれ考えている。

私の予想では、やはり075の周辺にうまくできるような気がする。
だとすると、パラゴンを、いまの時代に鳴らすことの面白さが、いっそう輝きを増す。

Date: 1月 23rd, 2011
Cate: 4343, JBL

4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その8)

4ウェイ構成のスピーカーシステムで、もっとも重要、と昔からいわれているのは、ミッドバスである。

あえていうことでもないと思うが、ここで言う「4ウェイ」とは、
瀬川先生の提唱されたもの、
JBLの4343、4350などの同じもの、
岡先生のいわれる2ウェイの両端の帯域を拡張したもの、のこと。

スペンドールのBCIIIのように、3ウェイのBCIIIにさらにウーファーを足したもの、とか、
3ウェイにスーパートゥイーターを足したものではなく、ミッドバス帯域に専用のユニットのもつモノのこと。

この種の4ウェイで、なぜミッドバス(中低域)のユニットが重要となるのか。
もちろん、音楽のメロディ帯域を受け持つ、ということもある。
でも、オーディオ的にいえば、
それ以上に、このミッドバスのユニットのみが、40万の法則に従っている、ということだ。

このことはふしぎと誰も指摘していないことだが、他のどんな構成のスピーカーでは、
ウーファーやトゥイーターはもちろん、スコーカーでも、40万の法則を満たすことは、まずできない。
4ウェイのスピーカーシステムにおいて、ミッドバスだけが、そうである。

40万をミッドバスの下のカットオフ周波数300Hzで割れば、上限は約1.3kHzになる。
ほぼ4343のミッドバス(2121)の受持帯域に重なる。

このことに気がつけば、瀬川先生がフルレンジからスタートされ、ユニットを段階的に足していくことで、
帯域の拡大を実現されてきたことを、少し違う視点から眺められるようになる。

Date: 1月 22nd, 2011
Cate: 4343, JBL

4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その7)

スピーカーシステムとして完成させるときに、4ウェイという形態はそうとうに難しいことなのだろうか。

井上先生はマルチウェイのスピーカーは、方程式を解くのに似ている。
2ウェイなら二次方程式、3ウェイなら三次方程式、4ウェイなら四次方程式で、
次数が増えてゆくにつれて、解くのは難しくなるのと同じだ、とよく言われていた。

一方で、岡先生はすこし違う意見だった。
4ウェイよりも、むしろ3ウェイのほうがクロスオーバー周波数を、
どこにとるかによって、かえって難しくなることもある。
4ウェイ、それも2ウェイをベースにして、
それの低域と高域を拡張するためにユニットを2つ足すかたちの4ウェイであれば、
むしろ3ウェイよりもシステムとしてまとめやすい、といったことを言われていた。

井上先生と岡先生の意見のどちらが正しいか、ということではなくて、
4ウェイにすることによって生じる難しさもあり、
4ウェイにすることによってかえって簡単に解決できることもある、ということだろう。

私の中には、4ウェイ絶対論、とまで書くと大げさすぎるけれど、
それでも4ウェイ構成に対しては、負の印象はほとんどない。

それはやはりJBLの4343の存在があり、瀬川先生のフルレンジから始まる4ウェイ構想を読んできたからだ。

なにがなんでも4ウェイでなければならない、とは言わない。
それでも、十分につくりこまれたモノであれば、4ウェイの優位性を認めたい、という気持は残っている。

でも、いまや4343のJBLからも、4ウェイが消えていく時代だ。

Date: 1月 22nd, 2011
Cate: 4343, JBL

4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その6)

JBLのカタログには、4348はまだ残っている。

センタースピーカー用のLC2CHと4348だけが、JBLのラインナップで4ウェイ構成だ。
つまり実質的に4348、1機種のみ、といってもいいだろう。
その4348も、いまオーディオ雑誌で取り上げられることも極端に少なくなっている。

4365、その前に登場したS9900、それにDD66000の取り扱われ方と比較すると、
残っている、という表現が、かなしいかな、ぴったりという感じだ。
(いましがたハーマン・インターナショナルのサイトを見たら、生産完了品につき流通在庫のみ、とあった)

バイアンプ仕様の4350を別格とすれば、4341から始まったJBLのスタジオモニターにおける4ウェイ・システムは、
4343でピークを迎え、そのあとはゆっくりと消えていくような印象すら受ける。

4348のスタイルを見ると、あきらかに4343を意識している、と思う。
スラントプレートの音響レンズを、JBLはもう採用することはないはず。
ゆうえに4343の、インパクトあるデザインは、もうJBLのスピーカーには望めないだろう。

それでも4348は、バスレフダクトの数と位置、そしてインラインのユニット配置、
それにミッドバスフレームの形、こういうところに4343を、わずかとはいえ感じさせる。

だからかえって、4343と、頭の中でつい比較してしまう。

そういうデザインのことは措いて、音に関していえば、
以前も書いたように4343の後継機は4348だろう。
4344よりも、ずっと4343をうまくリファインしたところがあって、
鳴らそうと思えば、1970年代後半の、あの時代の音の片鱗を確実に聴かせてくれる。

4348が、さらに4365の技術をベースにして、
4368といった型番のスピーカーシステムとして再登場したら……、そういったことも考えたくなる。

けれど、現実には、もうJBLから4ウェイのスタジオモニターは、出ない気がしてならない。

Date: 1月 21st, 2011
Cate: 4343, JBL

4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その5)

昨秋登場したJBLの3ウェイ・スタジオモニターの4365の評価は高い。

見た目のプロポーションは決していいとは思っていないが、音は、うまくまとめられている。

オーディオ機器のプロボーションは、とても大事であって、ときに仕上げよりも気になることがある。
たとえば、最近の製品でいえば、ラックスのSQ38uと同じくラックスの新しいアナログプレーヤーのPD171。

この2機種に関しては、デザインが、というよりも、プロポーションがおかしい、と思う。
どちらもずんぐりして、鈍重な感じが漂っている。
プリメインアンプとアナログプレーヤーという、どちらも必ず頻繁に手をふれるもの。
目につくところに、どちらも置くモノにも関わらず、
なぜあえて、こういうプロポーションにしたのだろう……。

しかもどちらも型番からわかるように、以前のラックスを代表してきたモノである。
とくにPD121は、木村準二氏による素晴らしいデザイン(瀬川先生のデザインと勘違いされている方が多いけれど)。

テクニクスのSP10と同じモーターを使いながら、SP10のすこし野暮ったいデザインと正反対の、
あれだけ洗練されたデザインに仕上げたのと較べると、
同じメーカーのアナログプレーヤーとは思えないほど、
あえていえば、あの艶めいた漆黒のレコード盤を演奏するものとは思えない野暮さである。
PD121の洒落気は、みじんもない。

SQ38uについても同じだ。
なぜ同じ型番で、ああいうふうにしてしまったのだろうか。
まだ別の型番、それもSQ38をまったく連想させないような型番だったら、まだしもなのに。

その、大切なプロポーションで不満を感じる4365だが、音を聴くと、
もうJBLは4ウェイをつくることはないんだろうな、と感じてしまう。

Date: 1月 21st, 2011
Cate: 4343, JBL

4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その4)

瀬川先生の「本」づくりで、けっこうな量の文章を入力したが、
意外にもJBLのユニットの音質そのものについて書かれているものは、少ない。

スイングジャーナル、1971年8月号とステレオサウンド 35号、ベストバイの特集の中に見つかるくらいだ。

ステレオサウンドのベストバイは、いまと違い、スピーカーユニットも選ばれている。
フルレンジ、トゥイーター、スコーカー、ウーファー、ドライバー、ホーンと分けられ、
それぞれの中から選ぶという形だが、
フルレンジ、トゥイーター、スコーカー、ウーファーではJBL以外のユニットも瀬川先生は選ばれているが、
ことドライバーに関してはJBLだけ、である。
ウーファーではアルテックの515Bについて書かれているのに、アルテックのドライバーは選ばれていない。
エレクトロボイスもヴァイタヴォックスのドライバーについても、同じだ。

だから当然ホーンも、JBLだけの選択となっている。
しかもJBLのドライバーも、プロ用の2400シリーズのみの選択だ。
(ウーファー、トゥイーターに関しては、JBLのコンシュマー用も選ばれている)
242024402410の3機種だけ。

おもしろいことに、この3機種は、岩崎先生も選ばれている。

この3機種については、それぞれ瀬川先生の書かれたものを読んでいただきたいが、
2440のところには、やはり「2420より中〜低域が充実する」と書かれている。
反面、2420よりも「中〜高域」で少しやかましい傾向」とある。

Date: 12月 3rd, 2010
Cate: D44000 Paragon, JBL, 組合せ

妄想組合せの楽しみ(その34)

Exclusive M4で鳴らすパラゴンの音を聴いてみたい、と思うし、
いちどは自分で、この組合せを鳴らす機会が、たとえ1日でもいいからあれば、どんなに楽しいだろうか、と思う。
でも、現実にパラゴンを自分のスピーカーとして手に入れたときに、
M4で試しに鳴らすことはあっても、とり組むことはないだろう。

妄想組合せ(机上プラン)であっても、
なにもかもいまは新品で入手できないもので組合せを考えようとは思っていない。
やはり、いまパラゴンを鳴らすことを、あくまでも考えているわけだから、
アンプ、CDプレーヤー、アナログプレーヤーは、いまのオーディオ機器を選ぶ。

とにかく最初に選びたいのは、やはりパワーアンプだ。
ここが決れば、あとはわりとすんなり決ってくれるだろう。

実は、最初に頭に浮んだのは、オラクルのSi3000だった。
プリメインアンプだ。
といっても、このSi3000は、入力セレクター、ボリュウムつきパワーアンプというふうにもみれる。
実際にパラゴンと組み合わせた音は聴いたことはないけれど、うまくいきそうな予感は強い。
それに見た目も、わりとパラゴンと合いそうな気もする。

だが、残念なことにSi3000は製造中止になっている。後継機ももう出ないのだろう。

いまのオーディオ機器を選ぶ、といっておきながら、舌の根も乾かないうちに製造中止のアンプを選んでいる。
でも、そんなに古いアンプでもないし、やはりSi3000での組合せは、私のなかでは考える楽しみに満ちている。

Si3000にすれば、CDしか聴かないのであれば、あとCDプレーヤーを選ぶだけでいいのだが、
そうであってもSi3000はパワーアンプとしてあくまでもとらえて、コントロールアンプをなにか選びたい。

Date: 11月 10th, 2010
Cate: D44000 Paragon, JBL, 瀬川冬樹

確信していること(その7)

ハーツフィールドとパラゴンはユニット構成もほぼ同じうえに、エンクロージュアの形式も、
言葉の上だけでは、オールホーン型ということで同じ面を持つ。

もっとも中音のホーンに違い、低音部のホーンの構造の違い、
それにモノーラル時代につくられたハーツフィールド、ステレオ時代につくられたパラゴン、
そういう違いはあるものの、たとえば同じJBLのスタジオモニター・シリーズと比較すれば、
ハーツフィールドとパラゴンは、ひとくくりにされるかもしれない。
いわば旧い世代のスピーカーシステムに属している。

ハーツフィールドとパラゴンの、瀬川先生にとっての相違点はどこにあるのか。
そして、もうひとつハーツフィールドよく似たスピーカーシステムで、
瀬川先生が「欲しい」と書かれているモノがある。

イギリス・ヴァイタヴォックスのCN191 Corner Horn だ。

Date: 11月 6th, 2010
Cate: 4343, JBL

4343とB310(もうひとつの4ウェイ構想・その3)

こちらの4ウェイは、3ウェイにスーパートゥイーターを追加した、いわば3.5ウェイ的な構成ともいえる。
フルレンジから構想がはじまる4ウェイと区別するために、こちらのほうは3.5ウェイと呼ばせてもらう。

この3.5ウェイの中域は、先に書いたように2420と2397ホーンの組合せ。
ここで疑問がひとつある。

2397は、2440にしろ2420にしろ、そのままでは取りつけられない。
スロートアダプターが必要とする。
2420だと、たしか2328というスロートアダプターを使う。
2420だと、この2328に、さらに2327という中型のものを用意しなければならなかったはずだ。

とうぜん、このことは瀬川先生はご存知だったはず。
スロートアダプターを2段重ねにしてまで、の2420の選択なのか。

ウーファーとのクロスオーバー周波数は800Hz。2420でもホーンが2397だから問題はないだろうけど、
より大型のダイアフラムの2440のほうが、より安心して使える、という心理的な面もある。

しかもウーファーは2231Aを2本使うという構想だから、
頭の中で考えるかぎりは、2440が向いているに決っている。

なのに2420である。
なにも価格の制約がある組合せでもない。

ちなみに、当時、2420は1本91,000円。2440は150,000円していた。
でも2420にはスロートアダプター2327がさらに必要になるから、2327の分だけ価格差は縮まる。

瀬川先生は、どういう音質的なメリットから2420を選択されたのだろうか。