Archive for category audio wednesday

Date: 12月 7th, 2017
Cate: 1年の終りに……, audio wednesday

2017年をふりかえって(その4)

毎月第一水曜日に四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記で行っているaudio wednesday。
今年は11回の音出しだった。
11月のみ喫茶茶会記が使えなかったので、毎回の音出しといっていいだろう。

昨年が9回だった。
昨晩のaudio wednesdayが、音出し20回目だったわけだ。

2016年1月の、最初の音出しからの20回目。
音はそうとうに変化している。

昨晩、Hさんが持参されたCDを鳴らした。
「満足です」と言って帰られた。
社交辞令でないことはわかっている。

もうひとりのHさんは、最後までおられて「ありがとうございます」と言ってくださった。

少なくとも自己満足の音は出していない、といえる。

Date: 12月 7th, 2017
Cate: audio wednesday

30年ぶりの「THE DIALOGUE」(その11)

岩崎千明氏のこと(ジャズの再生の決め手)」、「岩崎千明氏のこと(続・ジャズの再生の決め手)」、
ジャズ再生の決め手は、一瞬一瞬の結晶化と書いた。

クラシックばかり聴いてきた私が感じたことである。

今年一年のaudio wednesdayでは、「THE DIALOGUE」をよく鳴らした。
とにかく、頻繁にかけた、といえるくらいに、しかもかなりの音量で鳴らした。

昨晩のaudio wednesdayでも、もちろん鳴らした。

自画自賛といわれようが、
昨晩の「THE DIALOGUE」は、一瞬一瞬の結晶化であった。

Date: 12月 7th, 2017
Cate: audio wednesday

第84回audio wednesdayのお知らせ

2018年1月のaudio wednesdayは、3日。

今年1月は4日だった。
来られたのは一人だけだった。

Hさんが持ってこられた「能×現代音楽 Noh×Contemporary Music」を鳴らす回になった。

おそらく来年1月も一人だけ、だろうし、今年1月の回と同じようになりそうである。
なのでテーマは決めずに、一枚のディスクを鳴らし込むことになると思う。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 11月 30th, 2017
Cate: audio wednesday

第83回audio wednesdayのお知らせ(誰かに聴かせたい、誰かと聴きたいディスク)

二週間ほど前にセルの「エグモント」について書いた。
今回、このCDを持っていく。

とあるジャズ喫茶は、「エグモント」をリファレンスレコードとしている、ときいている。
その意味で、ジャズ喫茶である喫茶茶会記でどんなふうに鳴ってくれるのかという興味はある。

あるけれど、だからといって「エグモント」を、
喫茶茶会記での隠れたリファレンスディスクにするのは、なんともおもしろくない。
つまらぬ意地なのかもしれないが、また別のディスクにしたい。

最新録音から選ぶのも、おもしろくない。
何をもっておもしろいとするのか、おもしろくないとするのか、
それは私の中の勝手な判断でしかなくて、いちいち説明するのはめんどうだ。

候補として考えているのが、ショルティ/シカゴ交響楽団によるマーラーの二番である。
ショルティを理由もなく毛嫌いしていた20代のときに聴いている。
CDで聴いている。

第一楽章冒頭の低弦の鳴り方の凄さ。
実演では聴けそうにない(おそらく聴けないであろう)低弦のこわいまでの鳴り方。

これを録音が生み出した音であって、コンサートホールでは、こんな音は響かない──、
と否定するのは、誰にでもできよう。

そんなことはデッカの録音陣、そしてショルティはわかったうえでの、
この録音であると受け止めるもののはずだ。

ショルティによる二番の最初の録音は、1966年、ロンドン交響楽団によるもの。
このLP(それもオリジナル盤)の、出だしの低弦は、すごかった、と、
岡先生が「マイクログルーヴからデジタルへ」の下巻でふれられているので、引用しておく。
     *
このレコードの開始部の凄まじい低弦の表現力というもは、おそらくどんなコンサートでも聴かれない強烈な効果で聴き手を圧倒する(筆者がこの曲をコンサートで聴いたのは、小沢征爾が日フィルを振った一回しかないが、コンサートでは、ベルリンPOやシカゴSOであろうと、ショルティのレコードのようには鳴らないだろうと思っている)。明らかに低弦にブースト・マイクが置かれており、しかもハイレベルでカッティングされている。このレコードが出た当時のデッカのカッティング・ヘッドはノイマンのSX45であったはずだが、明らかに低域の低次ひずみが存在しており、それがかえって低弦の表現に強烈なダイナミックな効果を添えていたと思う。のちにSX68でリカットされたこの部分は、明らかに低次ひずみが減って音はおとなしくなり、コンサートで聴かれるチェロとコントラバスのユニゾンのフォルテらしい音になっていたけれど、凄まじいまでの迫力は失われていた。
     *
そして14年後の、つまり今回もっていくシカゴ交響楽団との再録については、
こう書かれている。
     *
十四年間の録音系の進歩は、レコードの音質の改善に明らかであるが、ショルティは《復活》の冒頭の低弦を、前回よりもさらに強烈に表現する。低弦に対するマイクは旧録音よりさらに近づけられ、低弦楽器の低次倍音までなまなましくとらえる。
     *
現象としてのマーラーの二番ではなく、
心象としてのマーラーの二番を響かせたい、と考えている。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 11月 25th, 2017
Cate: audio wednesday

第83回audio wednesdayのお知らせ(誰かに聴かせたい、誰かと聴きたいディスク)

12月6日のaudio wednesdayに持っていく予定のディスク。

オッターヴィオ・ダントーネ指揮アカデミア・ビザンティーナによるバッハの「フーガの技法」。

「フーガの技法」は、ふと、誰かの新しい演奏を聴きたくなる。
そういうときにタイミングよく出合えたCDが、この「フーガの技法」。

オルガンによる「フーガの技法」もいいし、ピアノによる「フーガの技法」もいい。
室内楽による「フーガの技法」もいい。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 11月 20th, 2017
Cate: audio wednesday

第83回audio wednesdayのお知らせ(誰かに聴かせたい、誰かと聴きたいディスク)

日立金属からファインメットコアが登場したのは、いつだったか、
正確に思い出せないほどに頻繁に目にするようになっているし、
柱状トランスもいまではファインメットコアのモノに置き換えられている。

オーディオ用のトランスも、ファインメットコア使用というのがかなりある。
個人的には、コアの新素材には注意深くありたい。

1980年代に、アモルファスコアが流行った。
オーディオメーカーから、アモルファスコア使用のMC型カートリッジの昇圧トランスが出た。

その大半を、ステレオサウンドの試聴室で聴いているが、
欲しい、と思ったトランスはひとつもなかった。

トランスの音は、コアだけで決るものではないのはわかっていても、
新素材のもつ性能には、やはり期待するところがあるし、
それが裏切られた(とはすこし言い過ぎか)ときは、
一転、新素材に対しての不信感となっていく。

だからファインメットコアにも、不信感がないわけではない。
とはいえ使っていないので、音については語れない。

それでもファインメットコアに、まったく興味がないわけではない。
コモンモードノイズフィルターのコアとして使いたい(試してみたい)とは、
以前から思っていた。

けれどなかなか小売りされることはなかった。
数年前から、手頃な大きさのモノが小売りされても、
限定入荷のことが多く、気づいた時はいつも売切れていた。
(そんなにこまめにチェックしていたわけでもなかった)

先日、ふと検索してみたら、ちょうど入荷したばかりだったようで、購入できた。
今回は、このファインメットコアを使った、電源まわりの実験をやる予定だ。
といっても、これが今回のメインテーマというわけではない。

12月、今年最後のaudio wednesdayなので、
今年聴いた(買った)ディスクを何か一枚持ってきていただきたい。
新譜でなくともかまわない。旧譜でも、今年買った、というディスクは誰にでもある。

自分で聴きたい、というよりも、
誰かに聴かせたい、誰かと一緒に聴きたいと思ったディスクを鳴らす。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 11月 3rd, 2017
Cate: audio wednesday

第83回audio wednesdayのお知らせ

12月のaudio wednesdayは、6日。

音出しを予定しています。
テーマはまだ決めていません。
トゥイーターは今回もJBLの075を持参します。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 10月 25th, 2017
Cate: audio wednesday

第82回audio wednesdayのお知らせ(飲み会)

11月1日のaudio wednesdayは喫茶茶会記では行いません。
会場をかえて、というか、飲み会をやります。

12月6日のaudio wednesdayは、喫茶茶会記での音出しを予定しています。

参加されたい方は私までメールをお送りください。

Date: 10月 5th, 2017
Cate: audio wednesday

第82回audio wednesdayのお知らせ(飲み会)

11月1日のaudio wednesdayは喫茶茶会記のLルームもSルームも空いていないので、
会場をかえて行います。
つまり飲み会です。

11月のaudio wednesdayは、喫茶茶会記では行いません。
12月6日のaudio wednesdayは、喫茶茶会記での音出しを予定しています。

一度もaudio wednesdayに来られなかった方が飲み会に参加されることはまずないと思ってますが、
飲み会ならば、という方が、おられないとは言い切れないので、告知しておきます。

参加されたい方は私までメールをお送りください。

Date: 10月 3rd, 2017
Cate: audio wednesday

中秋の名月

川崎先生の9月30日のブログ「間も無くだろうか、中秋の名月を看るだろう」、
そういえばと思い出したのは、フランコ・セルブリンのことだった。

CDジャーナル別冊「オーディオ名機読本」(1996年発行)に、それは載っていた。
傅信幸氏が書かれている。
     *
 この時の訪問ではもうひとつのエピソードがある。ソナスファベール製品にはスピーカーだけではなく、日本には当時も今も輸入されてはいないが、アンプがある。インテグレーテッドアンプ(プリメインアンプ)とセパレートアンプとがある。そのボディはイタリアンウォルナットとアルミニュームとのコンビネーションで、これまたとても美しく仕上げられていた。そうしたアンプの試作機を見せてもらって時だ。完成するのはいつだと問うと、答えは3ヵ月先という言い方ではなく、「そうだね、あと、満月が3回来る頃かなあ」と言うのである。太陽暦と太陰暦との違いといえばそれまでだが、この「満月が3回」には、わたしにはカルチャーショックだった。
     *
明日(10月4日)は中秋の名月。
audio wednesdayの日でもある。

Date: 9月 21st, 2017
Cate: audio wednesday

第81回audio wednesdayのお知らせ(1982年10月4日+35年=十五夜)

2017年10月4日は、十五夜であり、
グレン・グールドの命日。

JBLの075を持ち込む、
前回のテーマであった「結線」に関しても、
もうワンステップ(というか半ステップ)進める予定。

どんな音で、グールドは鳴ってくれるのだろうか。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 9月 16th, 2017
Cate: audio wednesday

第81回audio wednesdayのお知らせ(1982年10月4日)

10月のaudio wednesdayは、
4日ということでグレン・グールドをテーマにするのは前回お知らせしたとおり。

この他に考えているのは、喫茶茶会記のトゥイーターの変更がひとつある。
現在、サブトゥイーターとしてグッドマンのDLM2がついている。

一見ドーム型だと思ってしまうが、ホーン型である。
とはいえ、私の感覚ではドーム型として扱っているところもある。

一度、JBLの2405にしたことがある。
ただ、その時は2441+2397をアルテックのかわりに鳴らしていたから、
喫茶茶会記通常とは大きく違っての2405への変更であった。

今回はDLM2のみを、JBLの075に変更してみるつもりでいる。
うまくいくかどうかはなんともいえない。
075は設計の古いトゥイーターだから、20kHzまで周波数特性がのびているわけではない。
指向特性も、2405と比較すると周波数が高くなると狭くなっていく。
いわゆるビーミングである。

とはいうものの075は正真正銘ホーン型トゥイーターである。
音のエネルギーの再生においては、たっぷり出してくれる。

いま考えているのは、075の置き方だ。
アルテックの811Bホーンを横にずらせば、隣に設置できる。
一昨年の11月、喫茶茶会記に、いまのエンクロージュアが入ってきたときは、
そういうユニット配置だった。

それを私がいまの配置に変更した。
そのときの感じでいえば、ウーファーとホーンをオフセットの位置関係にはしたくない。
インライン配置のまま、ホーンの隣に置くのはぎりぎりできるかもしれないが、
やや不安定な感じを受けそうだし、かといって今DLM2を置いている位置では、
うまくいくとは思えない。

となると何らかの置き台を用意して、075をぐっと持ち上げてホーンの上部に来るようにするか、
反対にホーンをあと7cmほど持ち上げて、エンクロージュアとの間に置くか。

その他にも考えなくてはならないことはいくつもあって、
当日に、すべてを実験できるわけでもないから、
075に変更したからといって、必ずしもいい結果が得られるとはいえないが、
個人的にはスピーカーの表情が、どう変化していくのか、楽しみである。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 9月 9th, 2017
Cate: audio wednesday

第81回audio wednesdayのお知らせ(1982年10月4日)

10月のaudio wednesdayは、4日。
タイトルを見てピンと来た人は、いるはず。

35年前の10月4日に、グレン・グールドは亡くなっている。
つい先日、ソニーミュージックから最初のゴールドベルグ変奏曲のボックスが発売になった。
もちろん買ってしまった。

10月4日。
だからグレン・グールドを聴くことをテーマにしたい。
といっても小難しいことを語りながら聴こう、なんてことは考えていない。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

Date: 9月 7th, 2017
Cate: audio wednesday

30年ぶりの「THE DIALOGUE」(その10)

audio wednesdayには、喫茶茶会記に来られたお客さんが、
隣の部屋で何やら音楽が鳴っている、なんだろう……、ということで、
関心をもって覗きに来られることがあるのは、以前も書いている。

昨晩も22時ごろに、30代なかば、20代なかば、ふたりの男の人が関心を持ってくれた。
たまたま喫茶茶会記に来ていた人たちで、
オーディオに特に関心のない人たちでもあった。

彼らにも「THE DIALOGUE」を聴いてもらった。
他にも何枚かのディスクを聴いてもらった。

彼らがオーディオマニアになるか、
オーディオに関心をもってくれるようになるのかはわからないが、
昨晩の「THE DIALOGUE」の音は、少なくとも彼らの心を捉えたという手応えはあった。

Date: 9月 7th, 2017
Cate: audio wednesday

30年ぶりの「THE DIALOGUE」(その9)

6月のaudio wednesdayで、「THE DIALOGUE」をひさしぶりに聴いて以来、
先月はディスクを忘れたけれど、昨晩も含めて毎回鳴らしている。

いま喫茶茶会記のアンプはマッキントッシュのMA7900。
電子ボリュウムということもあってか、フロントパネル中央のディスプレイには、
減衰量がdBではなく%で表示される。

6月のaudio wednesdayでは、MA7900の表示で、54%あたりが、
音が破綻しないぎりぎりのところと感じた。
もう少し上げられるけれど、少しきわどいところも出てくるであろうと感じられた。

毎回「THE DIALOGUE」を鳴らしているのは、
どこまでボリュウムを上げられるようになるか、というひとつの挑戦である。

7月は60%をこえたあたりまで、いけた。
8月はディスクを忘れていたけれど、他のディスクの鳴った感触から、
もう少し上げられた、という手応えは感じていた。

9月の今回は、70%まで上げた。
喫茶茶会記のスピーカーはアルテック。
ウーファーは416-8Cで、このユニットの能率がシステム全体の能率となるわけだが、
同じユニットを搭載していて、構成もほぼ同じのアルテックのModel 19(後期)は、
出力音圧レベルは102dB/W/mと発表されているが、
聴いた感じでは97dBとか98dBくらいに感じられる。

97dBとしても、いまでは高能率といえる。
そういうスピーカーに、けっこうなパワーを入れている。
来月は、もっと上げる(パワーを入れる)予定だ。

音量でごまかす、みたいなことをいう人が、いまも昔もいる。
確かに比較試聴をしているときのボリュウム設定は、重要である。

デリケートな試聴になればなるほど、音量のわずかな差は、
音がよく聴こえたり、そうでなかったりすることにつながる。

けれど、その音量の違いというのは、わずかである。
「THE DIALOGUE」でやっているのは、そういうことではない。

大音量再生を知性の感じられない行為だ、という人もいるが、
ただボリュウムを上げれば、それでよし、という領域ではない。

使い手(鳴らし手)の、さまざまなことが試される領域であるから、
大音量再生はスリリングである。