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Date: 1月 14th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜を終えて(その1)

1月10日の序夜の場となったのは、野口整体の稽古場である。
野口晴哉氏のリスニングルームの隣にあるこの空間は、
もともとはリビングルームで洋室だった、とのこと。
いまは畳を敷いて和室となっている。

昨年、何度か訪れていたので、この稽古場(和室)の響きの良さはなんとなく感じていた。
デッドではなくライヴなのだ。

このことはいいのだけれど、部屋のプロポーションとしては横に長い。
こういうプロポーションの部屋だと、多くの人が縦長に使うことだろう。
短辺側にスピーカーを配置すると思う。

けれど私は最初から横長で使う、と決めていた。
前列の人は、かなりスピーカーと近距離になるけれど、
左右のスピーカーの間隔は拡げたい。

このことに迷いはなかったけれど、
それでも実際に鳴らしてみないことには音だけはわからない。
どうしようもない音がしてきたら、縦長に使うことも考えてはいた。

あとひとつ。
音を鳴らしてみないとなんともいえないのが、畳である。
いい畳なのは歩いた感触でわかっていた。
それでも畳だ。がっしりした木の床ほどの期待はできないようにも思っていた。

それでも実際にメリディアンのDSP3200を持ち込んで鳴らしてみると、
そんな心配は微塵も感じなかった。
横長で正解だと思ったし、畳に関してもDSP3200を設置していて、
ほんとうにいい畳だと感じていた。

中身がぎっしりとしている、といったらいいのか。
中途半端なフローリングの床よりも安定して設置できた。

そうやって鳴ってきた音は、ほんとうに響きが美しかった。
特に余韻が美しい。音が鳴りやむ、とはこういうことなのだと実感していた。

これまでもリスニングルームとして設計され建てられた、いくつかの空間で音を聴いている。
それでも、余韻が美しいと感じたことは残念なことになかった。

だから、余韻の美しさに驚いていた。
その美しい余韻によって、聴いた音楽はよけいに耳に、心にのこる。

この空間ならば──、とおもっていた。
今回はメリディアンのDSP3200だった。
できればもう一度DSP3200を鳴らしてみたい、と思っているのは、
今回ネットワーク(インターネット)関係の小さなトラブルで、
安定するのに時間を費やしていて、開場時間ぎりぎりまでかかってしまった。

そのためチューニング的なことはいっさいやっていない。
ACの極性もまったくチェックしていないから、
もう一度鳴らせる機会があるのなら、もっとよく鳴らせるからだ。

DSP32000の他にも鳴らしてみたいスピーカーが、音を聴いていると浮んでくる。
やはりジャーマン・フィジックスのスピーカーは鳴らしたい。

BBCモニター系列のスピーカーも、響きの美しさによりいっそう磨きがかかることだろう。
それにJBLの4320、4343といったスタジオモニターも、
この部屋の響き、余韻の美しさに助けられて、かなりいい感じで鳴ってくれそうだ。

Date: 1月 14th, 2024
Cate: MERIDIAN

メリディアン DSP3200のこと(その1)

三年ぶりに再開したaudio wednesdayでの音出し。
1月10日の序夜では、メリディアンのDSP3200を鳴らした。

DSP3200を聴く(鳴らす)のは、今回で二回目。
9月に一度聴いている。
この時も、自分でセッティングして、その音を聴いている。

そして今回。
部屋は大きく違っている。
造りも大きさも、ずいぶん違う。

今回のほうが広い。天井もかなり高い。
容積的に、DSP3200で大丈夫だろうか……、とちょっと心配もしていた。

DSP3200は小型の2ウェイである。
小型スピーカーといっても、
LS3/5Aの時代とはずいぶん鳴り方が進歩している面があるのはわかっているといっても、
今回の部屋は、かなり大きい。
そこに十人以上の人が入ったら──、そんなふうにいくつかのことを心配していた。

2020年まで、喫茶茶会記でやっていたころは、
菅野先生録音の「THE DIALOGUE」をかけていた。

9月に聴いた印象では、「THE DIALOGUE」はちょっと無理かな、と思っていた。
なので鳴らすことはなかったのだが、これは鳴らせるな、と考えを改めた。
そのくらいDSP3200の鳴りが違っていた。

DSP3200のユニット構成は、いわゆる小型2ウェイのモデルとはちょっと違う。
そこで思い出すのは、岩崎先生がステレオサウンド 35号に書かれていることだ。
     *
 これをフルレンジとしてまず使い、次なるステップでウーファーを追加し、最後に高音用を加えて3ウェイとして完成、という道を拓いてくれるのが何よりも大きな魅力だ。
     *
パイオニアのPM12Fについての文章である。
コーン型のスコーカーであり、いわば小口径フルレンジともいえるユニットである。

Date: 1月 11th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第一夜

audio wednesday (next decade) – 第一夜は、2月7日である。
時間、場所は1月と同じ。

テーマはまだ決めていない。
来週末には決っている(はず)。

Date: 1月 11th, 2024
Cate: High Resolution

MQAのこれから(とTIDAL・その14)

どこの国のアカウントをつくるか。
TIDALで契約する際に迷ったことのひとつだ。

私はアメリカのアカウントだけれど、料金は国によって違ってくる。
アメリカよりも安い国はいくつかあった。

けれどウワサではあったけれど、国によって料金も違えば、
配信されているアルバム、曲にも違いがある、となんどか目にしていた。

とはいえ事前にそのことを確かめることはできない。
クラシックを主に聴くからヨーロッパの国のどこかがいいのか、
それともやはりアメリカなのか。

アメリカでつくったわけだが、
それから三年、やはりウワサは、それからも目にすることがあった。

とはいえ、自分の目で確認していたわけではない。
ほんとうなのか。

昨晩のaudio wednesday (next decade)では、イギリスのアカウントだった。
じっくりと時間をかけて比較したわけではないが、短い時間でも、
私が好んで聴く音楽の範囲でも、はっきりと違いがあった。

どちらがいいとはいえない。
いえるのは、できれば違う国のアカウントを二つ持つことである。

Date: 1月 11th, 2024
Cate: ディスク/ブック

“盤鬼”西条卓夫随想録(その後・達成)

「“盤鬼”西条卓夫随想録」のクラウドファンディング、残り一日で目標金額を達成している。

もしかすると……、と思ったこともあったけれど、来月には手元に届く。

Date: 1月 9th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜(いよいよ明日)

いよいよ明日(1月10日)は、音を鳴らすaudio wednesdayである。
2020年12月の回で喫茶茶会記でのaudio wednesdayは終った。

2021年は、いまもaudio wednesdayをやっていたら、
今回のテーマはこれだな──、そんなことを思っていた。
思っていても、そういう場がなければなんともしようがない。

2022年9月に、とにかく再開しよう。
場所はなくても、集まりたい人だけでもいいから集まって食事でもしよう、
ということで始めたものの、ふたたび音を出せる環境に巡りあえるとは、ほとんど思っていなかった。

2022年の後半ごろから、今回のテーマは──、なんてことも次第に考えなくなっていた。
そこに「うちでやりませんか」という申し出があった。

三年と一ヵ月ぶりに、音を出すことができる。
いま、とてもわくわくしている。

前回の「選曲について」で書いているように、
カザルスのバッハの無伴奏を最後に鳴らす。
最初に鳴らす曲も、すでに決めている。

誰のどの曲なのかは明かさない。

鳴らすスピーカーシステムはメリディアンのアクティヴ型のDSP3200である。
TIDALでMQAを中心に鳴らしていく。
鳴らす場は、野口晴哉記念音楽室となりの和室である。

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。

野口晴哉記念音楽室の住所は、
東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

参加費として2500円いただく(ワンドリンク付き)。

Date: 1月 2nd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade)、再開にあたって

オーディオの世界は、ながく(永く、長く)、ひろく(広く、拡く)、深い。くわえてオーディオはコンポーネント(組合せ)でもある。
世の中には、無数といえるほどのオーディオというコンポーネントが存在しているけれど、一つとして、まったく同じオーディオ・コンポーネントは存在しない。仮に、細部までまったく同じオーディオ・コンポーネントがあったとしても、
鳴らす部屋が違う。同じ造りの部屋がいくつもある集合住宅で、二人のオーディオマニアが住んでいて、まったく同じコンポーネントだとしても、二人の音が同じになるということはない。鳴らす人が違うからだ。
「音は人なり」。
オーディオの世界では、ずっと昔から、そういわれ続けてきている。誰がいいはじめたのかははっきりとしないが、五味康祐氏が、おそらくそうであるはずだ。
その五味康祐氏が、1970年に野口晴哉氏のリスニングルームを訪問されている。
     *
 ちっとも変らなかった。十七年前、ジーメンスやコーナーリボンできかせてもらった音色とクォリティそのものはかわっていない。私はそのことに感動した。高域がどうの、低音がどうのと言うのは些細なことだ。鳴っているのは野口晴哉というひとりの人の、強烈な個性が選択し抽き出している音である。つまり野口さんの個性が音楽に鳴っている。この十七年、われわれとは比較にならぬ装置への検討と改良と、尨大な出費をついやしてけっきょく、ただ一つの音色しか鳴らされないというこれは、考えれば驚くべきことだ。でもそれが芸術というものだろう。画家は、どんな絵具を使っても自分の色でしか絵は描くまい。同じピアノを弾きながらピアニストがかわれば別の音がひびく。演奏とはそういうものである。わかりきったことを、一番うとんじているのがオーディオ界ではなかろうか。アンプをかえて音が変ると騒ぎすぎはしないか。
(中略)
 音とはそれほどコワイものだということを、野口さんの装置を聴きながら私はあらためて痛感し、感動した。すばらしい音楽だった。年下でこんなことを言うのは潜越だが、その老体を抱きしめてあげたいほど、一すじ、かなしいものが音のうしろで鳴っていたようにおもう。いい音楽をきくために、野口氏がこめられてきた第三者にうかがいようのない、ふかい情熱の放つ倍音とでも、言ったらいいか。うつくしい音だった。四十畳にひびいているのはつまりは野口晴哉という人の、全人生だ。そんなふうに私は聴いた。——あとで、別室で、何年ぶりにかクレデンザでエネスコの弾くショーソンの〝ポエーム〟を聴かせてもらったが、野口氏が多分これを聴かれた過去当時に重複して私は私の過去を、その中で聴いていたとおもう。音楽を聴くとはそういうものだろうと思う。
(ステレオサウンド 15号より)
     *
2024年の一年間(12回)、音楽を、音を聴いてもらうことになった。
一回目となる1月10日は、とにかく鳴らしてみよう、聴いてもらおう、ということで、「序夜」とした。
2月が第一夜、3月が第二夜──、となり、12月が最終夜である。さまざまな音楽を、いろいろな音を鳴らしていきたいし、聴いてもらいたい。

1月10日の「序夜」では、イギリスのオーディオメーカー、メリディアンのDSP3200という小型スピーカーシステムを鳴らす。

野口晴哉氏のシステムとは非常に対照的な大きさのスピーカーだ。アンプとD/Aコンバーターを搭載していることで、シンプルな構成で、ストリーミングによって驚くほどの数の音楽を、すぐさま聴ける。
とにかく、ここから始めて、第一夜、第二夜……のテーマを決めていくことになる。

それでも一つだけ決めていることがある。毎回、最後にかける曲だけは決めている。
パブロ・カザルスのバッハの無伴奏である。序夜から始まり最終夜までに、どう変っていくのか。

このことを通じて、音楽を聴くとはどういうものかを、一人ひとり、その胸の裡で描いてもらえれば幸いだ。

Date: 1月 1st, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜・選曲について

1月10日の序夜。
どんな曲をかけるのか。

2016年から2020年までの五年間、
四谷三丁目にあった喫茶茶会記でのaudio wednesdayでの音出しとは、
同じではないことを、昨年末考えていた。

音楽を聴くこと。
それもオーディオを介して聴くという行為は、まず選曲から始まる、といっていい。
ラジオから流れてくる曲をただ何も考えずに聴くのもありなのだが、
オーディオマニアとしてオーディオを介して音楽を聴くということは、
ストリーミングにしても、CDにしてもアナログディスクにしても、
なにをかけるのかを、まず選ぶ必要がある。

音楽を選ぶということが、2023年の世界の状況が影響を与えてきている。
そのことを実感しないで、音楽を選ぶことができるのだろうか──。
そんなことを12月は考えていた。

1985年に、レナード・バーンスタインがイスラエル・フィルハーモニーと来日した。
その公演に私は行っている。

NHKホールに近づくと、いつものクラシックのコンサートとは雰囲気が違っていた。
NHKホールの周りに、抗議団体がいた。
イスラエル・フィルハーモニーに対しての、
つまりはイスラエルに対しての抗議だった。

その時は、なんと無粋な、と思っていたことを白状しよう。
パレスチナのことは、もちろん知識として知ってはいても、
バーンスタインの演奏を楽しみにしていた者としては、
何もこんなところで──、と思ってしまった。

それから四十年近くが経って、もうそんなふうにはおもえなくなってしまっている。

序夜で最後にかけるのは、カザルスのバッハの無伴奏だとすでに決めている。
では最初の曲は、何にするのか。

Date: 12月 30th, 2023
Cate: 1年の終りに……

2023年をふりかえって(その6)

オーディオアクセサリー 191号、ステレオサウンド 229号、
どちらも特集は賞で、オーラのプリメインアンプVA40 rebirthが選ばれている。

オーディオアクセサリーでは表紙を飾っている。
いい製品なのだろう。

オリジナルのVA40が登場した時、私はすでにステレオサウンドを離れていた。
VA40を聴いたのは、早瀬文雄(舘一男)氏の部屋だった。

そのころの彼は自宅を建て直して、そうとうに広いリスニングルームを持っていた。
そこで聴いたわけではない。
自宅近くに、アパートを借りていた。
結婚して子供が生れて、一人で静かに原稿書きに集中したいためだ、と言っていた。

一度だけそこに行ったことがある。
スピーカーはJBLの4312だった。
現行製品の4312とは違い、このころまでの4312は4310、4311の流れをくんで、
ウーファーにはネットワークが介在しない構成だ。

この方式のよさもあれば悪さもあるから、
現行の4312よりも、この時代の4312の方がいい──、とは言い難いものの、
ネットワークの介在しない4312を鳴らしていたのが、VA40だった。
CDプレーヤーははっきりと憶えていないが、ビクターのXL-Z505だった。

そんなに長い時間聴いていたわけではないが、この時の音は印象に残っている。
木造のアパートだから、音量は控えめだ。

そういう音量だからこそ、4312の構成とVA40が互いにうまく相手のよさを抽き出していたのだろう。
舘さんの音は、いくつも聴いてきている。
そのなかで、印象に残っているのはダリのSkyline 2000の音と、4312とVA40の音である。

Date: 12月 23rd, 2023
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜

1月10日のaudio wednesday (next decade) – 序夜。
これまでaudio wednesdayは、毎月第一水曜日に行ってきた。
あたりまえすぎることなのだが、1月10日が第一水曜日になることはない。

2024年は1月10日に行う。
私にとっては、この日にあらためてaudio wednesdayをやれるのは、特別なことである。
1月10日は、瀬川先生の誕生日である。

その日に、音出しをふたたび行えるようになる。
この嬉しさは、わかってもらえなくていい。
私だけのものなのだから。

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時。

開場を早くしているのは、音を鳴らし始めるとあまり話す時間もとれないからだ。
質問や説明などは、18時から19時までのあいだにお願いしたい。

野口晴哉記念音楽室の住所は、
東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

2500円(ワンドリンク付き)だが、大学生以下は無料。

Date: 12月 19th, 2023
Cate: オーディオマニア

五条件(その6)

先週の土曜日に、audio sharingの忘年会を行った。
参加された方の一人、Kさんが「孤独な鳥の条件」のことを話された。

この項の(その5)で、「孤独な鳥の条件」を引用している。
     *
孤独な鳥の条件は五つある

第一に孤独な鳥は最も高いところを飛ぶ
第二に孤独な鳥は同伴者にわずらわされずその同類にさえわずらわされない
第三に孤独な鳥は嘴を空に向ける
第四に孤独な鳥ははっきりした色をもたない
第五に孤独な鳥は非常にやさしくうたう
     *
16世紀スペインの神秘主義詩人、サン・フアン・デ・ラ・クルスの詩である。

(その5)は、2017年9月に公開している。
書いている私は、もちろん憶えているけれど、
そんなこと書いてあったっけ? と読み手側はそんな感じだろう。

それでも、Kさんははっきりと憶えてくれている。
そして、孤独な鳥をめざしている、ともいわれた。

孤独な鳥になんてなりたくない──、
そう思うオーディオマニアもいていい。

ただ、いまのステレオサウンドは孤独な鳥のための雑誌では、とっくになくなっている。

Date: 12月 19th, 2023
Cate: 1年の終りに……

2023年をふりかえって(その5)

ステレオサウンド 229号が、先週からKindle Unlimitedで読めるようになっている。
以前は一ヵ月、もしくはそれ以上待つこともあったけれど、
ここ数号、発売されてからけっこう早くにKindle Unlimitedで読める。

今春、原本薫子氏が亡くなったことは、
夏発売の227号の編集後記で触れられていた。

早瀬文雄(舘一男)氏のことは、たぶんないだろうな、とは思っていた。
追悼記事が載ることはない。
それはそうだろう。

それでも編集後記で誰かが、触れるのか。

早瀬文雄氏はステレオサウンドに連載を持っていた。
ステレオサウンドに書かなくなってからけっこうな時間が経つ。

若い読者は早瀬文雄の名前をきいても、誰なのかわからなかったりするだろう。
それでも以前からの読者ならば、知っている人は少なくないはずだ。

229号は一言もなかった。
それが、いまのステレオサウンドなのだろう……。

Date: 12月 13th, 2023
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜・DSP3200で聴く夜

一ヵ月ほど前に書いているように、
2024年のaudio wednesdayは音を鳴らしていく。

野口晴哉記念音楽室での音出しである。

今年の5月28日、野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会が開催された。
そのことは別項で書いている。
そこでの縁で、来年、野口晴哉記念音楽室で音を鳴らして聴いてもらえることになった。

別項でも触れているように、野口晴哉記念音楽室は暖房も冷房もない。
冬はかなり寒くなり、夏は暑くなる、とのこと。

なので寒い時期、暑い時期は野口晴哉記念音楽室に隣接する空間で鳴らす。
といっても、こちらの空間も、かなり広い和室である。

1月10日に行う。
1月だけ第二水曜日だが、2月以降はこれまでどおり第一水曜日開催。

今回は初めて鳴らす空間ということもあって、
リハーサル(プロローグ)という意味をこめて、序夜である。

メリディアンのアクティヴ型スピーカーシステム、DSP3200を鳴らす。

メインのプログラムソースはTIDALでいく。
MQAの音を充分に聴いてほしいからだ。
リクエストに応じられるようにCDも鳴らせるようにする。

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時を予定している。

野口晴哉記念音楽室の住所は、
東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

audio wednesday (first decade)では、1000円いただいていた。
audio wednesday (next decade) では、2500円いただく(ワンドリンク付き)。

Date: 12月 11th, 2023
Cate: ディスク/ブック

“盤鬼”西条卓夫随想録(その後)

11月23日に、「“盤鬼”西条卓夫随想録」のクラウドファンディングのことを書いている。

その時点、支援者は私を含めて四人、達成率2%だった。
今日で、支援者は20人、達成率16%。
あと32日で、このクラウドファンディングは終了する。

いまのままだと成立せずに終ってしまいそうである。

Date: 12月 11th, 2023
Cate: 1年の終りに……

2023年をふりかえって(その4)

二人の死は訃報で伝わってきたからはっきりとしている。
けれど、もう一人、友人でありオーディオ仲間のAさんが亡くなったようである。

はっきりとそうだとわかっているのではない。
けれど亡くなったとしか思えないことがいくつもある。

Aさんと出逢ったのは、2005年の秋だった。
インターナショナルオーディオショウのあとに、共通の友人のYさんが、Aさんを紹介してくれた。
きっと二人は相性がいいだろう、という予感があったそうだ。

二年前ぐらいから、体調がすぐれないとは本人からきいていた。
検査入院もしたけれど、特に悪いところは見つからなかった、ときいていたから、
いずれ体調も快復してくれるだろう──、そんなふうに思っていた。

けれど今年5月に、もう一度、検査入院をすると連絡があった。
彼が入院しているときにショートメールで少しやりとりしただけで、
退院してきたら、以前のように会えるだろう、と思いながら、
いつぐらいに退院なのかというメールを送信したところ、戻ってきてしまった。

えっ、と思い、電話してみると通じなくなっている。
自宅の固定電話も同じだった。

Yさんに確認してもらったけれど、同じだった。
彼のところにも5月の終りごろに短いメールが届いていた、とのこと。

このこと以外にもいくつかのはっきりした事実からいえるのは、亡くなったのだろう、だ。