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Date: 1月 14th, 2015
Cate: 「ネットワーク」

オーディオと「ネットワーク」(魔法の鏡なのか)

グリム童話「白雪姫」では継母の王女が、魔法の鏡に向ってきく、「世界でいちばん美しい人は?」と。
魔法の鏡は現実にはない。

けれど時としてインターネットは、魔法の鏡のようでもあるように感じる。
昔は個人でウェブサイトをやる人がめずらしかったこともある。
それもいつしか簡単にできるようになり、始める人が増えた。
わざわざ自分のウェブサイトまで……、という人でもブログを始めたりした。

いまはSNSが流行っていて、ウェブサイト、ブログを始めなくとも、
いいたいことを友人・知人にとどまらず、不特定多数人に向って書くことが容易になっている。

そうなってきて、いよいよインターネットがオーディオマニアにとって、
いわば魔法の鏡的な要素を鮮明にしてきているように感じることがある。

「世界でいちばん素晴らしい音は?」
そう魔法の鏡にたずねる人はいないだろうが、
間接的にたずねているのではないだろうか。

自分のシステム、リスニングルームを公開し、
これまで使ってきたオーディオ機器、レコードなどについても公開する。
そういう人すべてというわけでないのはわかっている。

それでもそういう人の中には、「世界でいちばん素晴らしい音は?」というよりも、
「世界でいちばん素晴らしい音を出しているのは誰?」とたずねているような気がすることがある。

継母の王女は、魔法の鏡が「貴女です」と答えてくれることを期待している。
継母の王女は、世界でいちばん美しい人を知りたかったわけではない。

Date: 1月 13th, 2015
Cate: James Bongiorno

ボンジョルノとレヴィンソン(その3)

2013年、ジェームズ・ボンジョルノが逝った。
ステレオサウンドにボンジョルノの記事が載ることはなかった。

数ヵ月後、ソナスファベールの創業者のフランコ・セルブリンが逝ったときは、
ステレオサウンドに記事が載った。

扱いの違いに、腹が立った。
編集者は何をみているんだろうか、と。

マーク・レヴィンソンは生きている。
ダニエル・ヘルツというブランドを興している。
レヴィンソンもいつかは逝く。
数年後か十年後か、いつなのかはまったくわからないけれど、いつかその日はくる。
ステレオサウンドは、きっとマーク・レヴィンソンの記事を掲載することだろう。

その時は、もう腹を立てることはない。
もうわかっていることだから、……その程度だと。

ジェームズ・ボンジョルノには長いブランクがあった。
一時期忘れ去れていた、ともいえる。
けれど、ボンジョルノによるアンプの音を聴いた者(惚れ込んだ者)は、
そんなときでもボンジョルノのことを忘れてはいなかった。

Date: 1月 13th, 2015
Cate: 4343, JBL

40年目の4343(その1)

JBLの4343は1976年秋に登場した。
来年(2016年)は、40年目である。

1976年中に4343を手にした人はそう多くはないだろうが、
円高ドル安のおかげで4343は価格は下っていった。
それに反比例するように、ステレオサウンド誌上に4343は毎号のように登場し、
特集記事も組まれていった。
ペアで百万円をこえるスピーカーシステムとしては、驚異的な本数が売れていった。

いまも4343を鳴らしている、持っている人はいる。
新品で購入した人ならば、長い人で40年、短い人でも30年以上経っている。
しかもウーファーの2231A(2231H)とミッドバスの2121(2121H)のエッジはウレタンだから、
エッジの補修は誰もがやられている。

それ以外にもリペアは必要となる。
ネットワークの部品も交換されていると思うし、スピーカー端子もバネがダメになることがある。
アルニコマグネットは衝撃に弱いため、減磁している可能性もある。

どんなに大切に使って(鳴らして)いても、リペアをせずにすむわけではない。

これから先もリペアしていくのか、それとも……。

リペア(repair)は、修理する、修繕する、回復する、取り戻す、といった意味をもつ動詞。
リペアと同じように使われる言葉にレストア(restore)がある。
元の状態に戻す、という意味の動詞である。
このふたつと同じように”re”がつく言葉に、リバース(rebirth)、リボーン(reborn)がある。
名詞と形容詞だ。

Date: 1月 12th, 2015
Cate: 単純(simple)

シンプルであるために(ミニマルなシステム・その6)

ワディアのPower DACの音は、いったいどうだったのか。
いまでも興味がある。
けれど残念なことにステレオサウンド 100号でのプロトタイプ、
133号での,7ページにわたる紹介記事、
どちらも書いているのは三浦孝仁氏である。

三浦孝仁氏になんの憾みも個人的感情はもっていないけれど、
三浦孝仁氏の書くものは、まったく参考にならない。

なぜそうなのかについては、ここで書くことではないし、書くつもりはない。
それに私はそう思っているけれど、三浦孝仁氏の評価がいちばん参考になる、という書き込みも、
インターネットで何度か目にしている。

私が正しいとか間違っているとか、三浦孝仁氏の評価を信じる人が正しいとか間違っているとか、
そんなことではなく、ただステレオサウンド編集部が、Power DACという、
これまで存在しなかったジャンルのオーディオ機器の記事に、
三浦孝仁氏だけの起用だったことにがっかりしているのである。

でも133号のコンポーネンツ・オブ・ザ・イヤーにpower DACは選ばれている。
かろうじて他の方の意見が読める。
それからベストバイで、井上先生が一千万円をこえるにも関わらず、星ひとつを入れられているのも参考になる。

それでもプロトタイプの音については参考になる記事がないのが、いまでも残念でならない。

Date: 1月 12th, 2015
Cate: 変化・進化・純化

変化・進化・純化(その2)

蚕が透明な体になって糸を吐きながら死に行く──、
これが純化なのだろうか。

はっきりとはわからない。まだわからない。

Date: 1月 12th, 2015
Cate: 表現する

オーディオ背景論(その4)

デジタルカメラで撮影したものをそのままマンガにもってこれるわけではない。
パソコンで画像処理ソフトを使い、加工していく。

輪郭線を検出しての処理だと思うが、
どこまで輪郭線を残していき、それらの線をどう処理していくのか。
画像処理ソフトにまかせっきりでは、うまくいくものではない。
だから同じ手法をとっても、ひとりひとり違う背景となる。

だが背景画の緻密さは、すべて手描きだった時代にくらべて、はるかに増している。
もちろんすべてのマンガ家が、こういう手法をとっているわけではないが、
それでもずっとマンガを読んできた者には、ずいぶん背景の描き方が変ってきた、と感じてしまう。

いうまでもなくマンガのガは画である。
マンガを、写真を撮って加工して、写真のままコマに割り当てていったところで、
それぞれのコマにセリフの吹き出しがあっても、それはマンガとはいわない。

マンガがマンガであるためには、画であることが求められる。
その画がやろうと思えば、写真のような画にもできる。
パソコンやタブレットで見ることを前提とすれば、すべてカラーページにできる。
そうなれば、どこまでも写実的な描写も可能になる。

そうなったときにマンガはマンガといえるのだろうか。

Date: 1月 12th, 2015
Cate: 単純(simple)

シンプルであるために(ミニマルなシステム・その5)

ワディアのPower DACの続報、そして製品化を待っていた。
それこそ首を長くして待っていた。
けれどまったく音沙汰無しだった。

ふたたびPower DACの名をステレオサウンドで目にしたのは、133号である。
100号1991年9月に出ている、133号は1999年12月に出ている。
八年間である。
それでもワディアはPower DACを製品として出してきた。

1991年のPower DACと1999年のPower DACはずいぶんと違うところがある。
まず筐体が大きく違っている。

1999年Power DACは三つの筐体から構成されるシステムである。
Wadia 390という型番のコントローラー、Wadia 790という型番のPower DACで、
アンプ部(D/Aコンバーター)は、モノーラルなのは同じだが、
円筒型の筐体から、マッシヴな金属ブロックのような形状となっている。

外形寸法はW44.7×H61.0×D44.7cmで、重量は116kg。
こうなるとスピーカーの脇に設置することが難しくなるほどである。
実物をみることはなかったけれど、ステレオサウンドに掲載されている写真から、その威容さは充分伝わってくる。

価格はWadia 390とWadia 790のセットで、11900000円だった。
桁を間違っているわけではない。D/Aコンバーター機能をもっているパワーアンプ、
パワーアンプ機能をもっているD/Aコンバーターとはいえ、一千万円をこえる価格は、もう溜息も出なかった。

1991年のプロトタイプは価格未定だったが、
外観、内部の写真、規模から判断するに、一千万円をこえるモノではなかった。
プロトタイプのまま市販されたとしたら四百万円から五百万円ぐらいでおさまっていた、と思う。

Date: 1月 12th, 2015
Cate: D130, JBL

ミッドバスとしてのD130(その3)

JBLのコンプレッションドライバー2441は、日本の折り紙からヒントを得た新型のエッジの採用で、
ダイアフラムだけの違いにもかかわらず、2440よりも高域特性は格段に向上している。

2440(375)はエッジの共振を利用していたため、10kHz以上の再生は無理だったが、
2441(376)ではカタログスペックでも18kHzまでとなっている。
周波数特性のグラフを比較してみても、2440との差は歴然である。

ならば5kHzといわず、10kHz、さらにもっと上の周波数まで2441+2397に受け持たせることもできる。
けれど2445J+2397の指向特性のグラフでは、10kHz、15kHzでの特性は八つ手状になっているのが確認できる。

ときどきJBLが4350、4341で4ウェイにしたのは、最大音圧を高めるためだと勘違いの発言をしている人がいる。
確かに帯域分割の数を増やせば個々のユニットへの負担は軽減される。
けれどJBLが、スタジオモニターとして4ウェイを採用したのは指向特性の全体行きにおける均一化のためである。
これは4350の英文の資料を読まなくとも、スピーカーシステムの問題点を考えればわかることである。

指向特性の均一化ということでいえば2441+2397は10kHzまでは無理ということになる。
2445J+2397のグラフでは5kHZの特性も載っていた。こちらは良好である。

そうなると40万の法則、指向特性の均一化、630Hz近辺でのクロスオーバー、
これらにD130と2441+2397の組合せはぴったりと合致する。
しかもどちらも能率が高い。
80Hzから5kHzは2ウェイシステムとしても、ナローレンジということになる。

だがこれ以上強力なミッドバスとミッドハイの組合せは他にない、ともいえる。

Date: 1月 12th, 2015
Cate: アナログディスク再生

ダイレクトドライヴへの疑問(その19)

1970年代がおわろうとしていたころから、
ダイレクトドライヴ型プレーヤーの音質が問題になりはじめていた。
性能は確かに優れている。けれど音がどうもよくない……、そんなふうにいわれはじめてきた。

ベルトドライヴ、リムドライヴの、音がいいと評価を得ていたプレーヤーと比較していわれたのは、
まずターンテーブルプラッターが軽いからではないか、があった。
つまり慣性モーメントが小さい。そのことが音に影響を与えている、と。
それからモーターのトルクが弱いから、だともいわれはじめた。

けれど冷静にカタログに発表された値をみていくと、
ダイレクトドライヴ型のすべてのプラッターが軽いわけではない。
ベルトドライヴ、リムドライヴと同等のモノもあったし、
モーターに関してもトーレンスのTD125のようにかなり弱いタイプも、ベルトドライヴ型にはあった。

プレーヤーの音は、そんな部分的な値によって決ってしまうものではない。
ベース、サスペンション、その他のいくつもの要素が有機的に関係してのトータルの音質である。

それでも国産メーカーは、そんな声に反応してだろうか、
そんなことはない、と証明するためだろうか、
ターンテーブルプラッターの重量を増し、モーターのトルクも強くしていった。

たとえばテクニクスのSP10MK3のプラッターは銅合金+奄美ダイキャスト製で、重量は10kg。
デンオンのDP100のプラッターは6.5kg、オンキョーのPX100Mは銅合金削り出しで10kg、
これらは重量級のダイレクトドライヴである。

これだけの重量物を回転させるのだからモーターのトルクも高い。
いま、これだけのモノがつくれるだろうか、と思える。

Date: 1月 12th, 2015
Cate: 単純(simple)

シンプルであるために(ミニマルなシステム・その4)

ワディアのPower DACの名がステレオサウンドの誌面にはじめてあらわれたのは、99号。
三浦孝仁氏がワディアの訪問記事の中に登場している。
そして100号でのエキサイティングコンポーネント(新製品紹介のページ)で、Wadia 5として、
4ページにわたり紹介されている。
ただしこの時点ではプロトタイプとしてである。

モノーラル構成で、筐体は高さ77cm、直径約30cmの円筒形(完全な円筒形ではない)。
重量は約50kg。出力は200W。
プロトタイプのため価格は未定となっていた。

電源スイッチは底面にある。
それ以外のスイッチは写真をみるかぎり本体にはついていない。
すべての機能は附属のリモコンで行うようになっている。

つまりCDトランスポートを用意すれば、スピーカーをドライヴできる。
こういう性質のアンプ(D/Aコンバーターでもある)だけに、
実際の設置はスピーカーの脇に目立たぬように、ということになる。
そしてCDトランスポートとPower DACを結ぶのは、
当時ワディアが提唱していたAT&TのSTリンクの光ファイバーである。

Power DACは小さいとはいえない。
むしろかなり大型ではある。
けれど、1991年の時点で、これほどミニマルなシステムを、
あるレベル以上のクォリティをもって構成することは無理といえた。

エキサイティングコンポーネント──、
私にとってワディアのPower DACという新製品は、まさしくエキサイティングだった。
すごいモノがあらわれた、と昂奮した。

Date: 1月 11th, 2015
Cate: 背景論

オーディオ背景論(その3)

マンガの現場にもはやくからパソコンが導入されている。
そのこともあって、といっていいだろう。
背景の描き方が、手描きだったころとは変化している。
つまり緻密に、どこまでも緻密に描く人が登場している。

私と同世代までくらいだと、大友克洋の「AKIRA(アキラ)」は衝撃だった。
マンガの歴史の中に、劇画の登場がある。

私は劇画登場を同時代に知っているわけではない。
すでに劇画は存在していたから、「AKIRA」の登場は衝撃だった。
おそらく劇画登場を体験していた人でも「AKIRA」は衝撃であったはずだ。

「AKIRA」の登場がマンガの背景を変えた、と私は思っている。
「AKIRA」は1982年に連載が始まっている。まだMacintoshは誕生していない。
誕生していたとしても、マンガの現場ですぐに使われはしなかっただろう。

いつごろからだろうか、
デジタルカメラで撮影し、パソコンにデータとしてとりこんで背景を描く人が登場している。
これがマンガの背景をはっきりと変えた。

Date: 1月 11th, 2015
Cate: モノ

モノと「モノ」(その15)

最初に使ったPhotoshopのヴァージョンは2.5だった、と記憶している。
まだフロッピーで供給されていた。10数枚あった。
インストール作業はフロッピーの出し入れ作業であった時代だ。
それからCD-ROMになる。

どちらの時代でも、家電量販店のパソコン売場や専門店のソフトウェアの棚には、
ボックスがいくつも並んでいた。
いずれもずしっと重たいボックスだった。

中身はCD-ROMとマニュアル。
CD-ROMは一枚か二枚でも、マニュアルが重かった。
この重さが、そのアプリケーションがどれだけ多機能であるかを示しているかのようでもあった。

いまソフトウェアのコーナーは小さくなっている。
インターネットでダウンロードで購入するのが当り前になってきたためであり、
マニュアルもPDFになってしまった。

アプリケーションだけではない、映画もインターネットで配信されるものが買えるようになっている。
そうやって購入したアプリケーション、映画などはハードディスクに記録される。

とはいえ、このふたつはまったく同じであるとはいえない。
アプリケーションはもとからパソコンにインストールするものだった。
一度インストールしてしまえば、基本的にインストールディスクは使わない。

一部のプロテクトがかかっているアプリケーションでは解除にディスクを、
アプリケーションの起動のたびに要求していたが、
そういうアプリケーションを除けば、インストール後にディスクは必要としない。

Date: 1月 11th, 2015
Cate: LNP2, Mark Levinson, デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(LNP2のこと・余談)

そういえば、こんな質問をもらった。
マランツのModel 7とマークレビンソンのLNP2、どちらかくれるといわれたら、どちらをもらいます?、と。

仮定の質問であるから、どちらもコンディションはまったく問題ない。
新品同様のModel 7とLNP2が目の前にある。
どちらをとるか。

私はLNP2をとる。
けれど、誰かに、どちらをもらったほうがいいですか、とさらに質問されたら、
Model 7がいいですよ、と答える。

どちらも完璧なモノではない。
完璧なオーディオ機器など、この世には存在していない。
どんなモノであれ、いくつかの欠点は持っている。

欠点の少なさでいえば、Model 7であり、完成度の高さでもModel 7である。
デザインで判断してもModel 7である。

それでも私はLNP2をとる。
Model 7も手元においておきたいコントロールアンプのひとつである。
なのにLNP2をとるのは、個人的ないくつかのおもいがそこにあるからであり、
これはほかの人にはまったく関係のないことだ。

だから人にはModel 7をすすめ、私はLNP2をとる。
良し悪しだけでは割り切れぬことが、LNP2にはある。

Date: 1月 11th, 2015
Cate: LNP2, Mark Levinson, デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(LNP2のこと・その6)

シルバーパネルのML6のデザインが素晴らしいかときかれたら、そんなことはない、と答える。
ML6を実際に使ってみると、非常に使いにくい。

この項の(その3)に引用したRFエンタープライゼスの広告。
そこに書いてあるJC2のごく些細な使い勝手の欠点。
これを読んだ時は正直はっきりとわからなかった。

自分でJC2を使ってみると、それはわかる。

RFエンタープライゼスの広告はステレオサウンド 43号に載っている。
43号の巻末には囲み記事で、
マーク・レヴィンソンがステレオサウンド試聴室にML2のプロトタイプを持ち込んだとある。

このふたつは関係している。
マーク・レヴィンソンがJC2の使い勝手の欠点の指摘を受けたのは、アメリカではなくおそらく日本である。
ML2のプロトタイプをもって来日した時に、
オーディオ関係者から、ごく些細な使い勝手の欠点を指摘されたと考えて間違いない。

だとすると自分でJC2を使っていた経験からも、些細な欠点がどういうことなのかはっきりする。
確かにそれは使い勝手の欠点であり、それをごく些細な、と受けとるか、それともけっこう重要なこととするのか、
それは使い手によって違ってもこよう。

けれどML6の使い勝手の欠点はそうではない。
はっきりと、すべての人にとって使い勝手の最悪なコントロールアンプ(プリアンプと呼ぶべきなのだが)である。

最悪な使い勝手は写真をみてもわかる。
けれど実際に使ってみると、想像以上に使い勝手の悪さ(ひどさ)がある。

Date: 1月 11th, 2015
Cate: D130, JBL

ミッドバスとしてのD130(その2)

私は瀬川先生の、フルレンジから始める4ウェイシステム・プランが気になっていた。
自分でやることはなかったけれど、スピーカーシステムについて考える時に、思い出す。

瀬川先生の4ウェイシステム・プランは、JBLの4350、4341が登場する前に発表されていた。
4350、4341のユニット構成、クロスオーバー周波数の設定など、共通するところがある。
そのせいもあって私にとっての4ウェイとは、まずこれらの4ウェイがベースとなっている。

もちろん4ウェイといっても考え方はメーカーによって違うところもあり、
ユニット構成、クロスオーバー周波数の設定からも、それはある程度読みとれる。

4ウェイをどう捉え考えるのか。
2ウェイの最低域と最高域をのばすために、トゥイーターとウーファーを加えて4ウェイとする。
こういう考え方もある。

この場合、忘れてはならないのは40万の法則である。
つまり40万の法則に沿う2ウェイをベースとしてスタートしたい。
となると、この2ウェイのクロスオーバー周波数は40万の平方根である632.45Hz近辺にしたい。
下限と上限の周波数を掛け合せた値が40万となるようにする。

具体的に80Hzから5kHzの2ウェイシステムで、クロスオーバー周波数は630Hz〜650Hzあたりである。
そして指向特性が、この帯域において均一であること。
この条件に、D130と2441+2397がぴったりくる。

2397のカタログには推奨クロスオーバー周波数は800Hzとなっているが、
家庭での使用音圧であれば500Hzのクロスオーバーでも問題のないことは、
ステレオサウンドのバックナンバーでも実験されているし、問題なく鳴らせる。