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Date: 10月 3rd, 2008
Cate: 菅野沖彦

菅野沖彦氏のスピーカーについて(その2)

菅野先生が使われているスピーカーに共通するのは、中高域の拡散ともうひとつ、
低域の電子的なコントロールがあげられる。

マッキントッシュのXRT20は、
専用のヴォイシングイコライザーMQ104(調整ポイントは4つ)かMQ107(調整ポイントは7つ)で、
専門のエンジニアによる部屋のアコースティック環境の補正(ヴォイシング)サービスを行なっていた。
菅野先生はご自身で調整されている。

JBLの375を中心としたシステムウーファーと、
ジャーマン・フィジックスのDDDユニットのシステムの低域は共通で、
JBLのウーファーを、マルチアンプ駆動で使われている。
このウーファーも、もちろんグラフィックイコライザーでコントロールされている。

中高域の拡散と低域の電子的なコントロール──、
このふたつの要素を充たしているスピーカーを、現行製品から見つけ出すと、
B&OのBeolab5が、まさしくそうである。

オシャレなオーディオ機器として扱われがちなB&Oの製品だが、
違う観点からBeolab5を、いちど見てほしい。

Date: 9月 9th, 2008
Cate: 菅野沖彦

菅野沖彦氏のスピーカーについて(その1)

菅野先生がお使いのスピーカーは、 
JBLの375+537-500(蜂の巣)を中心としたシステム、 
マッキントッシュのXRT20、 
そして4年前に導入されたジャーマン・フィジックスのDDDユニットを中心としたシステムの3組である。

中高域以上は、JBLはホーン型、XRT20はドーム型の複数使用、 
ジャーマン・フィジックスはウォルッシュ・ドライバー。 
振動板の素材もまったく異る。

JBLはアルミ、ジャーマン・フィジックスはチタンで、同じ金属と言っても、
ジャーマン・フィジックスのチタンはひじょうに薄い膜であり、
指で軽く触ってみると、プニョプニョした感触で、剛性を高めるための金属の採用ではない。

まったく異る型式・方式・素材のスピーカーが三組と受けとめられがちだが、
「中高域の拡散」ということでは、三つとも共通していると、私は考えている。

なぜ菅野先生は、375と組み合せるホーンに、蜂の巣を選択されたのか。 
菅野先生のリスニングルームの壁の仕上げ、
JBLのシステムに数年前から導入さてれているリボン・トゥイーターの理由、 
そして音を聴かせていただくと納得できるのが、 中高域の拡散、ということ。 

なぜ菅野先生は、JBLのトゥイーター075だけでは満足されなかったのか。 
それは高域レンジの問題だけではなく、375と蜂の巣の組合せによる中域の拡散と比べると、 
高域の拡散が不十分と感じられたためではないかと思っている。