Posts Tagged 多重ループ

Date: 9月 7th, 2008
Cate: ワイドレンジ

ワイドレンジ考(その4)

多重ループに、外部もしくはオーディオ機器の内部からなんらかの電流が誘起されると、
同相成分(コモンモード)が発生する。 
多重ループの影響から逃れるために、システム全体をシンプルにしろ、というのは
簡単で確実な方法ではあるが、後ろ向きの解決方法であるという印象も拭えない。 

またシンプルを、どう捉えるかも別の問題として浮び上がってくる。

現代のCDプレーヤー、アンプなど電子機器に求められる性能は、
CMRR(Common Mode Rejection Ratio)同相信号除去比の高さだろう。 
比較的低い周波数だけでの高いCMRR値ではなく、可聴帯域をこえて、
かなり高い周波数まで、できるだけフラットで高い値の実現。

現代OPアンプのなかに、数MHzまでフラットなCMRR値を持つものも出てきている。

Date: 9月 6th, 2008
Cate: ワイドレンジ

ワイドレンジ考(その3)

AC電源を使ったオーディオ機器のアースの多重ループの観点からみると、
安易なモノーラル構成は、どうかと思う。 

モノーラル化は音の出口に近い方から行なう方が理にかなっている。 
まずパワーアンプ、それからチャンネルデバイダーを使っているならこれ、
そしてプリ・パワー間にイコライザー類を挿入しているのであればモノーラル化する。
そしてコントロールアンプ。

音の入口に近いD/Aコンバーターは最後でいいと考える。
なのに最近の流行なのか、D/Aコンバーターのモノーラル構成のものが出始めているし、
同一D/Aコンバーターを2台用意してモノーラル化される方もいるときく。 

たしかにSACDやDVD-Audioの登場によって高域の再生限界が伸びているため、
従来のCDプレーヤー以上にチャンネルセパレーションを確保するのが難しくなるため、
セパレート化のメリットも多いことは認めるものの、
その前にモノーラル化の順序について、いちどきちんと考えてみてほしい。