Date: 2月 1st, 2013
Cate: D130, JBL
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D130とアンプのこと(音量のこと)

この項は、JBLの創始者であるランシングが、
D130をどんなアンプで鳴らしていたのか、ということから始めて、まだ書き続けていて、
それと並行しながら考えていたのは、ランシングがD130で、どのくらいの音量で聴いていたのか、についてである。

1940年代のアンプの出力はそれほど大きくはない。
けれどD130の能率は高い。だから相当な大音量まで問題なく出せたわけで、
アンプの出力によって音量が制約されることは、ほとんど考えられない。
音量の設定に関しては、自由であったはず。

ならばランシングは、どのくらいの音量で聴いていたのか。
手がかりは、まったくない。

なのに、なぜ書くのか、何を書くのか、ということになるのだが、
ひとつだけヒントとなることがある。

ステレオサウンド別冊「HIGH TECHNIC SERIES-1」である。
井上先生が、「内外代表パーツ200機種によるマルチウェイ・システムプラン」を書かれている。

そこにJBLの130AにLE175にHL91ホーンを組み合わせた2ウェイの組合せがある。
エンクロージュアはバックロードホーン型の4530で、
アンプはコントロールアンプにラックスのCL32、パワーアンプはダイナコのMKIIIとStereo70で、
ラックスキットのエレクトリッククロスオーバーネットワークA2002を使い、
マルチアンプドライヴというシステムである。

130AはいうまでもなくD130のアルミ製のセンターキャップを紙製に替え、
ウーファーとしてモディファイしたユニットである。

こういう組合せであるから、スタジオモニターとしてのJBLの音ではない。
「比較的に小音量で鳴らすときにはハイファイというよりは、
ディスクならではの蓄音器的なノスタルジックな響き」と表現されている。

このことが意外だったので、ずっと憶えていたわけである。

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