賞からの離脱(その14)
“State of the Art”はステレオサウンド 49号が第一回で、
第二回は53号、第三回は58号、第四回は62号である。
49号では49機種が選ばれている。
53号では17機種、58号では12機種、62号でも12機種となっている。
49号は第一回ということもあって、現行製品すべてが対象となっているのに対し、
第二回、第三回……と前回の”State of the Art”賞以降発売された現行製品が対象ということで、
選定機種は大きく減っているのは、むしろ当然のことといえる。
ここでもうひとつ注目したいのは、49号は12月発売の冬号、53号も同じく冬号だが、
第三回は57号ではなく1号おそい58号(春号)へと変更になっている。
62号も春号である。
49号では”State of the Art”賞の記事のみが特集だった。
53号でも第一特集は”State of the Art”賞だが、
ページ数のボリュウムでは第二特集の、前号(52号)から続くアンプテストのほうがある。
58号でも第一特集ではあるし、ページ数も多い。
けれど選ばれているのは12機種で、約半分程度のページは、第一回、第二回、
それに50号での過去の製品の”State of the Art”賞を振り返る内容である。
62号では第二特集扱いになっている。
ただこれは60号から62号まではステレオサウンド創刊15周年記念の企画として、
60号「サウンド・オブ・アメリカ」、61号「ヨーロピアン・サウンド」、
62号「日本の音」という特集があったためでもある。
それに62号には瀬川先生の特集記事も載っている。
とはいうものの62号での”State of the Art”賞は、選定機種数12ということもあってか、
49号から”State of the Art”賞に注目してきた読者にとっては、
さびしい印象を与える扱いになっていっていた。